2007年12月3i日のテーマ

「総論」 2007年の予測では日本はカオスの時代に突入し、安倍内閣はその象徴である、と予測し的中した。
2008年はどうだろうか。
マスコミ、評論家諸氏の予想は、混乱の年となるだろうという「パスカル」とは一年遅れの予想だ。
筆者はカオスの時代は続くものの、ある程度の収束もあり、2007年ほどの混乱はないと見ている。
「政治」
福田首相は冷たい調整型である。
調整型というのはすることがどうしても後手後手となる。
あちらを立てこちらを立て、出る杭は打ち、地盤沈下は穴埋めする。
そんなことに懸命になっているから、自分のやろうとすることが見えてこない。
アメリカ訪問で冷たくされ、中国では大事にされたらしいが、さしたる外交的成果は無しだ。
拉致問題を解決すると見得を切ったが、何一つとして前進していない。
冷たいから言うことに隙がなくても聞き手の心に響かない。
小泉信長の後に秀吉抜きに福田家康(褒め過ぎ)が出てきたようなもので、徳川(日本)300年の安泰を築くことはできまい。
彼がもう10歳若くて5年後に出てきていればよかっただろう。
だが今の日本に必要なのは小泉改革の完成であって修正ではない。
正念場は次の内閣改造。
ここで独自色を発揮できず、派閥均衡、改革後退の内閣を作ったら、ここで自民党はおしまいである。
一人や二人の目玉ではなく、アット驚く改革推進内閣改造が必要とされているのだ。
だが彼にはそれができないだろう。
そして地方から見放された自民党は、こんどは都会でも見放される。
いっそ民主党が衆院選に勝ってねじれを解消したら、少しはうまく行くかと思うが、あの駄目党首のばらばら政党では何もできないだろう。
第一衆院解散はよほどのことがない限り2008年にはない。
自民党にとって、解散は何のメリットもないからだ。
あるとすれば、政界再編成だろう。
その鍵はナベツネならぬ小泉元首相が握っていると見た。
今国民が嫌っているのは、役人と既得権益を守ろうとしている旧勢力なのだ。
「経済」
2007年の予測(当たった)と変わらない。
この一年はさほどの停滞もなく、概ね従来と変わりなく推移するだろう。
大きな発展もなければ停滞もない。
成長率は1%との予想が多いが、そんなに下がることはないだろう。
内需が伸びなくても輸出が有る。
今世界の人々はどんどん豊かになってきている。
豊かになれば良い物が欲しくなるから、日本の輸出は伸びる。
懸念材料は円高だが輸出先は日本よりインフレ率が高いので(日本も何がしかのインフレになるがその割合は小さい)その分相殺されて十分こなせる。
中国元やユーロも高くなるから、影響は限定的だ。
因みに2007年は長期円高の始まりの年110円を切ることもあると予想したが(当たった)2008年はその流れが続いて年内に100円を切るだろう。
だがそれ位なら大丈夫である。
ただ心配なのは、国際的には世界経済にますます遅れをとることである。
政府は国民の生命を守り豊かにすることが使命だが、かつて国民一人当たり生産が世界一であった日本も、失われた10年によりその順位はいまや15位までに低下した。
少子高齢化の時代、福祉の充実は必須の課題だが、そのためには何よりも国民が豊かにならなければならない。
それなのに今何が議論されているだろうか。
富の分配の議論ばかりがなされてパイを大きくすることを忘れている。
これは4,50年前の左翼の理論だ。
市場経済の最大の長所は社会全体の富を増やすところにあることをもう一度思い出してほしい。
世界諸国が日本より成長の度合いが高いのに、それを忘れている政治に絶望せず、日本の企業家は自己保身を捨てて積極的に外資を導入し、再編成を行って国際競争力を高めて欲しい。
偏狭な企業ナショナリズムは捨てるべきである。
先哲は「衣食足って礼節」を知るといった。
国を愛せとか、国家の品格とか威信は、国が豊かになってこそ本物になるのだが、ひとつ間違うと国民に犠牲を押し付ける全体主義思想になりかねないから、その議論は後回しにして欲しい。
衣食が十分に足っている人たちからそんな言葉は聞きたくない。
先ず経済を発展させ、福祉が充実して国民が将来に不安を持たない社会を作らなければいけないのだ。
「株価」
2007年に評論家たちは春先の日経平均18500円の株高にはしゃいで年末には20000円超などと夏の終わり頃まではやし立てていたが、年末は15500円、年初より下落してしまった。
世界で株価が下落したのは日本だけという惨憺たる結果に終わった。
このパスカルの論評は「春先には(株高になるがその後は期待できないから)持ち株の30%から50%を処分」することを薦めた。
もし筆者の言うことを聞いて春先に処分された方には、そのうちの50%は買い戻されることをお勧めする、そしてこの分が値上がりしたら春には売ってしまおう。
長期に保有されている株はそのまま持続されるのがよいと思う。
今年も前半高の後半安になると思っているからだ。
株価など本当のことを言えばサムエルソンが喝破したように誰にもわからない。
だが長期的には値上がりする可能性が高いし、配当が預金金利を上回っている限りそれほど値下がりしないだろうからだ。
「国際政治」
アメリカ大統領は紆余曲折あってもヒラリーが当選する。
選挙日は11月だから2008年の日本に直接大きな影響はないが、誰がなるにせよ、日本はそれを見据えた手を事前に打つ必要がある。
サブプライム問題があってアメリカの景気は悪くなると言われているが、さしたることもないだろう。
従ってアジア諸国もおおむね経済は順調で、その結果アジアの政局に激変はないだろう。 だからアジアの発言力は中国を中心として(残念ながら日本ではない)ますます強くなる。
アメリカは中国と外交で良好な関係を築き、北朝鮮問題を解決すれば、自国にアジアの脅威はなくなるから、日本に基地をおいておく意味が大幅に減少する。
自分の国は自分で守れという意見がアメリカ議会で出てきて、日米安保の意味が小さくなる。
一気にはそうならないが、その始まりの年となるだろう。
基地はいやだいやだという日本国民を守るために、アメリカだって巨額の予算を費やすのは馬鹿馬鹿しくなる筈だ。
ブリックスはその経済力を背景にますます強くなる。
北方領土など二島返還どころか、一島も戻ってこなくなるから、今の内に右翼など気にせずに二島で手を打ったほうがよい。
国際的に日本の経済的地盤はますます沈下するから、日本外交の発言力は低下し、やがては無視されるようになりかねない。
年間株価が日本だけ値下がりしたのはその象徴である。
なお中国の政治的経済的破綻を予測する人が多いが、筆者は多少の波乱はあってもそれを収束するだけの力を中国は持っていると考えている。
「スポーツ」
今年は北京オリンピック。
残念ながら今年の金メダルは前回を大幅に下回るだろう。
予想してみよう。( )内は前回。
陸上0(2)水泳1(3)体操1(1)レスリング2(2)柔道5(8)プラスアルファー1(−)計10(16)
好い方に外れて欲しいが、頑張っても13止まりだろう。
野球は本命視されているが監督コーチの体質が古いから難しいと見た。
マラソンの野口は、高低差のないコースなので彼女の特色は生きないだろう。
プロ野球は巨人の優勝(2007年は当たった)。
メジャーリーグの日本人選手は新人たちが期待ほどの活躍が出来ず、平凡な結果に終わるだろう。
既存の選手たちもイチローをはじめとして押しなべて成績は前年を下回る。
岡島、斉藤、今年は惨めなことになるかもしれない。
松坂だけはもう少しやるだろう。
松井秀喜の立場は非常に苦しい。
契約でトレード拒否条項があるから残ったようなもので、序盤によほどの活躍をしない限り、出番が少なくなるのではないだろうか。
彼の真価を発揮するためにはヤンキースから離れたほうがよい。
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2007年の一年を表す一文字漢字は「偽」だった。
2008年は「失」と予測する。
失望の失、財産や愛が失われる失である。
日本の発言力が低下する失でもある。
だがそれほど深刻ではない。
小失といったところだろうか。
小失が大失に拡大していかないような政治が期待されるが、これも失望に終わるのだろうか。
  

以   上

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