「総論」
これからの日本はカオスの時代に突入する。
入り乱れる価値観、政治、思想、宗教、世代間の対立が次第に激化する。
妥協による共存が許されなくなり、矛盾が深刻になる、2007年はそんな時代の幕開けの年となるだろう。
世界各国からは迷走する日本とでも評されるかもしれない。
安倍内閣はその象徴である。
「政治」
安倍総理が一国の首相の器でないことは、このパスカルの論評でもずいぶん前から指摘してきたのでこれ以上は言わない。
今年の焦点は、7月の参議院選挙である。
日本がこのままの状態でさしたることもなく推移すれば、投票率は大幅に下がるだろう。
こうした選挙では、組織力がものを言う。
公明党、共産党、自民党に有利で民主党に不利である。
前回の衆議院選挙で雪崩をうって自民党に流れた無党派層の表は、今回は棄権に回る。
本来民主党に流れるはずの無党派票も民主党は自民党に輪をかけた混沌ぶりだから(なにしろ憲法改正絶対反対派から北朝鮮に攻め込めと主張する連中までいる)まったく求心力に欠け、こんな政党に日本を託そうなどと思う人は多くないはずだ。
ただ今の自民党を叩く材料はたくさんあるから、そこそこの票は稼げるだろう。
だが自民党内閣を倒すだけの結果を民主党は得られないだろう。
いざとなれば自民党は、いろいろ奥の手があるから、何とか政権を保つとみた。
自民党が怖いのは、国民を憤激させるような材料がこれから出てくることだ。
有り難いのは北朝鮮との一層の緊張だ。
有事、テロの発生、あるいは一触即発の状態ともなれば国民のナショナリズムは一気に高まり、自民党の支持率もあっという間に上がるだろう。
もし何事もなく、かつ与党が過半数を取れないということになれば、それこそカオスの始まりである。
「経済」
この一年は順調に推移する。
大きな発展もなければ停滞もない。
内需が伸びなくても輸出がある。
今世界の人々はどんどん豊かになってきている。
豊かになれば良いものが欲しくなるのは道理だから輸出は伸びる。
懸念材料は円高だが、輸出先はすべて何がしかのインフレであるからその分相殺されて、10%程度の円高なら十分こなせる。
中国元やユーロも高くなるので、影響は限定的だ。
因みに、2007年は長期の円高の始まりの年、年内に110円を切ると見ている。
そもそも為替相場変動の基本は金利(国際収支)と購買力平価である。
最近は金利差のことばかりが論じられているが、今日本の物価は一頃と比べて、格段に安くなっている。
購買力平価はややこしい定義や計算方法は別にして、海外旅行をしてホテルに泊まり、タクシーに乗ってレストランに行き、デパートとスーパーで買い物、そしてマクドナルドでハンバーガーをつまめば実感的にわかる。
そして円高は経済にとって決してマイナスではないのだ。
また内需を伸ばす方法もある。
それは所得税の減税だ。
課税最低限所得の引き下げと扶養控除の撤廃は低所得層や年金層を直撃した。
彼らは収入をすべて使ってしまう階層だから税金を取ればその分確実に内需は減る。
だから減税して(税意識を高めるため無税にしなくても良い)、この分の財源は中高所得層(貯蓄率が高い)超高所得層(海外に資産移転している)の増税で賄えばよい。
そもそも日本の高所得者層は、欧米と異なり福祉支援活動などほとんどしないのだから、税金で取り上げるべきなのだ。
安倍内閣ではとても出来ないだろうが、それ位の事をしなければ支持率のジリ貧はとまらないだろう。
内閣を取り巻いている政治家は言うに及ばず、各種諮問委員や役人やマスコミはみな中所得層以上であることを忘れてはならない。
志が低いから、自分たちに都合の良いようにしているのだ。
こういう人たちが、国を愛せとか、美しい国だとか、国家の品格だとか説いても、所詮は絵空事だ。
先哲は衣食足って礼節を知るといった。
日本を美しくしたかったら、自分たちには都合は良いだろうが、日本の経済にプラスにならないようなことは言わないで欲しい。
すべての人が豊かになってこそ、美しく品格ある国になるのだ。
最後に付け加えておくが、駅中をはじめ大小のショッピングセンターの建設はいまやブームである。
近々破裂すると予言しておく。
「株価」
2006年の株価は珍しく評論家諸氏の予想(ほとんどが安値15000円高値18000円と言っていた)が当たった年だった。
2007年の予想は年末に20000円をのぞむが圧倒的だ。
果たして柳の下に泥鰌は二匹いるだろうか。
筆者は春に20000円達成できなければその後はないと見ている。
いくら輸出があるといってもおのずから限界があり、少子高齢化がボディブローのように国の活力をそぐのは確かだからだ。
20000円になったら、いやそこまで行かなくても、この春には持ち株の30%から50%は処分することをお勧めする。
地政学的要因も見逃すことは出来ない。
北朝鮮問題、大地震による大規模災害は常に念頭に入れなくてはいけない。
ともに株価暴落の原因となるからだ。
だがその後は急回復する。
だから不謹慎ではあるが、暴落したらすかさず買っておこう。
同時に災害被害者に対する支援、ボランティアも必ず実行しよう。
「北朝鮮問題」
安倍首相は核と拉致の同時解決などと寝言を言っているが、金正日政権存続する限りそんなことありえないこと位は常識人なら誰でも知っている。
もっと制裁しろ、と叫ぶ人たちがいる。
そういう人たちに問いたい。
あなた方は当初異口同音に「困っているのは北朝鮮、強く出れば向こうのほうから折れてくる」といっていたではないか。
だが強硬な態度を取って彼らは折れてきたか?
このように見通しを誤って事態を悪化させた人たちにこの問題を語る資格はない。
拉致被害者やその家族は強く出たから帰ってきたのではない。
小泉首相が二回も先方を訪問して実現したのだ。
強く出れば出るほどこの問題の解決が遠のいていったのは、結果が証明している。
およそ揉め事を解決するには二つの方法しかない。
友好的に話し合いで解決するか、力で屈服させるかである。
日本に力はあるだろうか?無い。
だったら仲良くするほか無いではないか。
仲良くしていれば、拉致問題も継続協議できたかもしれないし、日本にミサイルが飛んで来ることも無いのだ。
ただしこれは現実問題であって、国の威信とか正義不正義を言っているのではないことをお断りしておく。
安倍内閣は最近更なる制裁をあまり言わなくなった。
どっちつかずが安倍首相の特徴。
彼に訪朝するなどという度胸はないし、第一相手にされないだろう。
核と拉致の同時解決など夢のまた夢と指摘しておく。
「国際政治」
中国、日本に引っ張られて発展するアジア経済の力を背景に、国際社会でのアジア地域の発言力はますます強くなる。
日本は政治も経済もそのウェイトをアメリカからアジアに移し始めざるを得ないだろう。
安倍内閣はそれをうまくやれるだろうか、大いに疑問だ。
またアメリカはイラクを放り出す。
数々の中東政策で手をつけては放り出してきたアメリカはまたしてもそれを行い、また新たな敵を作り出すだろう。
アラブ人はベトナム人よりはるかに執念深いのだ。
もしアメリカが中東問題を改善しようとするならば、対イスラエル政策の見直しが必須だ。
すべての中東問題の根っこにこの問題があるからだ。
小泉前首相はアメリカの顔を立てて、イラクに派兵したが戦闘抜きの安全なところへの駐留に成功し一人の死者も出さず、イラク人に嫌われることも無く、自らの手で撤兵することに成功、外交上大きな成果を残した。
だがもし似たようなことが起これば、安倍ネオコン内閣はとんでもないことをしでかす可能性があるので、要注意である。
「スポーツ」
2006年の予想でサッカーはワールドカップに出場そして一次リーグ敗退を当てたが、プロ野球の優勝を巨人として外れた。
巨人は桑田がいなくなったので今年こそ優勝するだろう。
大リーグでは松坂は活躍する。
防御率3点台の前半、15勝、ひょっとすると2点台20勝も有りうる。
井川は先発ロ−テーションに入れば10勝。
岩村は苦戦せいぜい2割8分本塁打20本。
「その他」
今年はダイヤモンド誌との予測の競争はやめる。昨年も10項目の経済予測でパスカルは8勝1敗1引き分けとまたもや圧勝し、もはや相手にするのが馬鹿らしくなったためだ。
評論家の予測はバイアスが掛かっているからおおむね外れる。
2007年についてもそうだと予測しておく。
以 上
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