2006年6月28日のテーマ なぜだろう村上ファンド
(1)なぜ日銀の総裁が村上ファンドに投資していてはいけないのだろうか。
民間在職中に投資したものをそのままにしていただけなのだ。
村上が違法なことをした、だから怪しからぬと言うが、その違法行為に関与していた訳ではない。
また村上が違法なことをしなかったら誰もこれをとがめだてしなかった筈だ。
福井総裁の責任を追及するなら、彼自身の行為についてでなくてはならない。
カネボウやライブドアに投資していた数万人の人達は経営者が違法行為をしていたことによってその行為をとがめられるとでもいうのだろうか。
同じことではないか。
(2)なぜ福井日銀総裁は辞任しないのだろうか。
民間人がどんな投資行動を取ろうが自由だが、通貨の番人である日銀総裁に就任したらその個人的な投資行動は厳に慎まなくてはならない。
だから今年の二月に村上ファンドからの投資の引き上げは批判されるべきである。
理由はいろいろあるだろうが、内部情報があったのだろうと勘ぐられても仕方がない。
村上ファンドへの投資は別にやましい事をしているわけではないのだから、たとえ彼の行動が気に入らないからとしても解約などしてはいけない。
在任中の投資行動は慎むべきだし、解約は軽率のそしりをまぬかれない。
利益は然るべき所に寄付するなどと言っているが、それなら解約の時点でするべきなのだ。
このようなところに、保身に汲汲とする役人根性が透けて見えてしまうのだ。
日銀総裁の資格無し、と断じておきたい。
(3)なぜ村上ファンドは儲からないのだろうか
テレビのコメンテーターはあくどいことをしてぼろ儲けは怪しからんと眉をひそめるが、村上ファンドはたいして儲かっていない。
福井総裁は一千万円を6年半投資していて利益は途中の配当を入れても一千五百万、約2.5倍だからたいしたことは無い。
この間にこれ以上値上がりした株はそれこそごろごろしている。
村上は無茶苦茶儲かったなどと言っているが、株を売ったり買ったりして儲けることは至難の技だと言う筆者の持論どおり(1月二十三日続新春株式談義参照)、彼にしてもそんなに儲かっているわけではないのだ。
もし銀行預金をするお金があったら、好きな株を買ってじっと持っていれば村上ファンド以上の結果を出すなど難しくなかった筈だ。(勿論損することもある、村上またしかりだ)
コメンテーターは、我々庶民は0.1%の銀行預金に泣かされ、お金が無いから村上ファンドのようなぼろ儲けは出来ない、などと言っていたがチャンチャラおかしい。
(4)何故村上は検挙されたのだろうか。
違法なことをしたからである。
しかしホリエモンの時もそうだが、この種の事件は判りにくい。
当事者でも違法性を意識していないことが多い。
ホリエモンは未だに否認しているし、村上も当初否認して検事にあれこれ自分の行動を説明していたが、その行動がインサイダー取引と法律上は解釈されると言われ、ああそうかと納得したという。
だからこれらの案件を事件にするには、なにかおかしい事があるのではないかと目を付け、徹底的に調査しなければ立件できない。
なにかおかしい所が有るのではないかという目で見られて、無事でいられない会社は沢山あるだろう。
だがホリエモンや村上ファンドは目をつけられた。
目を付けてくれと頼んだ連中もいただろう。
日本的に言うならばやり過ぎたのだ。
株主を省みぬ怠惰な経営者、癒着する政と官、彼らは保身に汲汲とし、必死に既得権益を守ろうとする。
これらを破壊しようとした小泉政権、その申し子であるかのように出てきたのがホリエモンや村上だ。
彼らを叩くのは、抵抗勢力の巻き返しと考えても考え過ぎではないだろう。
村上ファンドに投資し、福井総裁の投資の窓口になったオリックス。
その会長である宮内氏は規制改革推進委員会の議長である。
違法性などとは無縁のその宮内氏まで国会に呼び出そうとか、議長を辞めさせようというのだから、その裏にあるものは推してしるべしだ。
宮内氏はこれら雑音に耳を傾けることなく、規制改革を推進して欲しい。
(5)なぜ株価は低迷しているのだろうか。
村上ショックという人がいる。
その真意は、彼の違法行為が引き起こしたものではなく、日本の構造改革の退行が、次期内閣によって起こるのではないかと危惧されているからだ。
株価の上昇は小泉内閣の構造改革の進捗と比例していたことを忘れてはならない。
だがここまで回復した日本経済はちょっとのことではひっくり返らない。
短期的には発展を続けるだろう。
だから株もまた上がり出すだろう。
だが次期内閣が改革の矛先を鈍らせるならば、やがて深刻な事態が生じるだろう。
  

以   上

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