2005年12月2日のテーマ 欠陥マンションの闇(真相)

なぜこんな事態が起こったのだろう。
全く不可解だったのだが、ヒュ−ザー社長の次ぎの一言で、成る程と合点した。
彼はこう言った。
「阪神の大震災で責任を問われた者は一人もいない」
以下はあくまでも推論で、具体的証拠もないが、次ぎの論理構成が成り立つ。
もし筆者が、建築基準法の網の目を潜って商売しようと考えたとする。
建築基準法を遵守していては儲からない。
なにか旨い方法はないだろうか。
阪神大震災の震度は7である。
このとき高速道路や鉄道はばたばたと壊れ、木造の住宅は甚大な被害を蒙ったが、鉄筋コンクリート作りのいわゆるマンションはさしたる被害は無かった。
戦後建築基準法は二回に渉って改正され、その都度耐震強度は高められている。
ところが改正前の古い建物でも、ダメージを受けていない物が殆どである。
最新の建築基準法は震度六に耐え得るとしている。
ところがこれよりも遥かに弱い筈の(それがどれくらいか良く判らないが、二回も改正されている以前の)物でも震度7で殆ど倒壊しなかったのだから、建築基準法を守らなくてもたいていの地震には堪えうる、と考えても不思議ではない。
地震にはいろいろある。
一口に震度六といっても、直下型、横揺れが大きいもの、波長が短いもの、などさまざまである。
法律を作る側はその全てに対応しなければならないから、勢い基準は辛くなる。
だから建物が基準を下回っていても、たいていの地震には堪えうると想定できる。
そして震度7以上の巨大地震が来れば、建物が倒壊しても、それは基準を上回るものだから仕方がないと言い訳できる。
そして地震はどんなものが来るか判らないのだ。
ごく弱い地震で実際に倒壊したときにのみ、責任が問われるのだがその可能性は極めて低いと考えられる。
その可能性の低さに賭ければ良いのだ。
今にも倒壊すると騒いでいるマンションも、公式発表は震度五で倒壊する「恐れがある」と言っているのであり、かならず倒壊するとは言っていないのだ。
今回の事件はその盲点をついた犯罪であるが、全体の構図をこのように考えると理解しやすい。 筆者はこれを巧妙な詐欺と考えているが、詐欺に引っかかった人たちには、心から同情する次第で、公的責任も多少あると思うので、政府や自治体は出来るだけの事をしてあげて欲しい。
しかしその一方、今回は事件が大きかったからこうなるのだが、個人がこれと同じような内容で不良建売に引っかかった場合にでも、同じようにしてやって欲しい。
今までそうした被害にあった人は多くいるはずだが、同じような状況で単発的に起こっているこれらケースに公的資金が投じられたとは聞いたことが無い。
それでは不公平ではないだろうか。
大変冷たい言いかただが、昔から「安物買いの銭失い」と言うことわざがある。
手抜き工事だって世の中には山ほどある。
瑕疵担保責任の問題が起こったときに、相手がそれを負担できるか否かを見定めるのも世間智の一つである。
行政(川崎市)は欠陥マンション住人に退去命令を出した。
万が一ということもあるから、人命尊重の点からそれも必要である。
だが同時に、川崎市に言いたい。
阪神大震災で多くの犠牲者を出した古い木造家屋と同じようなものが川崎には山ほどあるでは無いか。
対震度を調査しこれらの家屋にも退去命令を出して欲しい。
あるテレビのワイドショウのキャスターは、今にも崩れるかもしれないマンションの住人が可哀想だと涙を流していたが、単細胞としか思えない。
世の中はそれほど単純ではない。
自民党の幹事長はあんまり騒ぐとマンション業界は大変なことになると口走った。
その真意はどこにあるかわからないが、筆者は誰かが思いついたことは他の人だって気がつく、と考える。
程度の差はあるだろうが、似たような状況は他にも多くあるのではないか。
今後の状況を見守りたい。
  

以   上

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