2005年7月22日のテーマ なぜだろう

なぜだろう。
すっかり世の中の事情に疎くなって、まるで異邦人であるかのような思いをさせられることが多い。
なんでもないところで戸惑わされてしまう。
日頃、交通手段は車であることが殆どなのだが、先日所要があり家内共々電車で桜木町まで出かけた。
インターネットでどのような経路で行けばよいか調べたところ、四つの路線を乗り継がねばならないが、渋谷から東横線経由菊名でJRに乗りかえるともっとも早いと出た。
乗るべき電車の出発、到着の時刻まで詳しく教えてくれるから便利なものだ。
井の頭線で渋谷まで行き、少し様子は変ったが、昔通い慣れた東横線に向かう。
すると途中で大きく「東横線」と看板があり、そこに切符売り場がある。
掲示板で桜木町を探し表示の料金を自動販売機に入れ切符を買う。
東横線の改札を通ろうとするとバタンと扉が締まり通れない。
不審に思い駅員に聞くと、その切符はJRの切符ですから乗れませんという。
「東横線」の看板は切符売り場を指すものではなく、方向を示すものなのだった。
やむなく元に戻って払い戻してもらい、切符を買いなおしたが、おかげでインターネットが指定した電車に乗り遅れてしまった。
続きがある。
乗り遅れた為、菊名から桜木町への直通に乗れず、東神奈川で乗り換えとなってしまい更に遅れた。
桜木町で改札を出ようとするとまたバタンと扉が閉まって出られない。
駅員に聞くと料金が10円足りないという。
間違い無く切符を買ったのにと思いながらも、仕方がないので10円払って外へ出る。
昼食は桜木町でと思っていたが、なにやかやで遅くなったため改札を出たところにある立ち食い蕎麦屋で狐そばを注文した。
これが信じられないくらい不味い。
蕎麦はグジャグジャ、油揚げはバサバサ、つゆはだしが効いていなくてただ塩辛いだけ。
見れば壁には英語で「蕎麦は日本ではもっともポピュラーで好まれる食物である」などと書いてある。
要するに観光客が目当ての、そのときだけの客がターゲットなのだ。
これが日本の味と思われてもと、情けない思いをする。
まだまだ続きがある。
帰りに菊名の駅で乗換えようとすると、またまた扉がバタンと閉まってしまう。
駅員に聞くとこの切符は横浜乗り換えの切符であり、菊名で乗換えできないという。
東横線とJRは菊名と横浜の二箇所(近接している)で乗換えできるのだが菊名で乗換えると料金が10円高くなる。
だから正しく切符を買ったと思っても、改札を通れなくなるのだ。
行きのとき改札をとおれなかった理由も判明する。
何やら不条理な気がするがそれが今の世の中なのだろう。
いま日本は観光客をもっと呼び寄せようと懸命なはずである。
だがこんな不快不便な思いをさせたら、外人はそれに対応できないだろう。
この菊名の駅では電車を降りようとドアに向かって立っていると、前にいる乗客とのわずかの隙間に、肩で筆者の胸をグイット押して割り込んできた者がいる。
多少混んでいたが、おしくら饅頭という状態ではないのだから、これは明らかに割り込みであり、恐らく筆者と前の乗客との間が空きすぎているとでも判断した結果なのだろう。
見れば人品卑しからぬ年配の人である。
情けない思いでエスカレーターで東横線ホームに下る。
前の若い女性の次ぎの段に乗ると、今度はこの女性が下からグイット押してくる。
これではセクハラしているみたいなので後ろの段に乗った家内のところまで下がり二人で一段に乗って降りた。
見るとこの女性は足をずらして二段分占有しているではないか。
今度は接近しすぎてしまった為このような仕打ちを受けてしまったのだろうか。
いま日本は観光客をもっと呼び寄せようと懸命なはずである。
だがこんな不快不便な思いをさせたら、外人はそれに対応できないだろう。
家に帰りこの年配の人と若い女性のことを話すと、娘がそんなことしょっちゅうだから気にしては電車通勤なんか出来ないと言い、娘婿からも、そうですよ、良く喧嘩をしていますよと駄目を押された。
成る程そうかもしれない。
だが昔はたとえ電車がどんなに混んでいてもこんなにぎすぎすしていなかった。
だから思わずには居られない。
なぜだろう、と。
  

以   上

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