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北朝鮮から返された横田恵さんの遺骨が本人のもので無い、と言う鑑定結果が報告されると、拉致家族の人達、テレビは憤激し国民もそれにつられて憤激した。
やがて北朝鮮が鑑定結果はでっち上げだと表明すると、また彼等は嘘をついている、日本の科学は進んでいるのであり、それが判らないとは何と遅れた国ではないかと嘲笑した。
あらゆるマスコミはこれを大々的に取り上げ、とりわけテレビのコメンテーターは政府は強硬な態度を取るべきだとの論陣をはり、国民を煽りに煽った。
今でもネットを開けば怒りの渦だ。
ところが、どうやら鑑定結果そのものが間違っていたらしいのだ。
筆者が知る限り、これを取り上げたのはテレビ朝日だけだ。
テレビによれば、世界でもっとも権威が有る科学雑誌ネイチャーが、今年の2月号で、日本の昭和大学萩原講師の行った鑑定結果に疑義を呈し、鑑定の方法と結果について萩原氏に問い合わせたところ、はかばかしい回答を得られなかったばかりか、萩原氏から鑑定が間違った可能性も有る、との返事があったとのことだ。
テレビ朝日が直接萩原講師に取材しようとしたところ、氏はもう昭和大学の講師ではなく、警視庁に勤務しているため、取材はすべて広報を通じてと言われ、そこで広報を通じたが結果は得られなかったというものである。
状況証拠からすれば、真っ黒である。
鑑定に当たったのは彼だけではないから、日本国内の専門家からも質問が萩原氏にかなりあったが、鑑定の方法を公開しないので検証できないとのことだ。
検証に耐えられなければそれは科学とは無縁の世界で、鑑定したことにはならない。
それなのにこの鑑定結果をもって、日本中が大騒ぎし、政府は北朝鮮に厳重抗議したのだ。
民主党の首藤代議士がこのことに関し国会で質問したところ、町村外務大臣に今関係者が懸命に北朝鮮問題に取り組んでいるのに侮辱するな、と返事した画面が流された。
テレビは要約していたから、真意は定かではないが、このように臭いものに蓋をするのは決してしてはいけないことである。
対北朝鮮との交渉にとってもも、百害あって一利無しである。
自分のほうに間違いがあればそれをただすことで交渉も真実性が強まり迫力も増すのだ。
遺骨が偽ものであったから、北朝鮮が不誠実極まりないとして経済制裁を訴えていた拉致被害者家族会の人達は、当然この事実を今は知っているはずなのに、経済制裁をしない政府に対して座り込みの運動を展開すると言っている。
彼等は誰かによって政治的に利用されているのではないかとさえ思えてくる。
一方、実は筆者も遺骨は偽ではないかと疑っている。
それは何の根拠も無いただの感であるから、それをもって何らかの主張をしようとは思わない。
だが日本の関係者は何らかの偽であるとの情報を握っていたのではないか。
だから何としてでも遺骨の鑑定で偽ものだとの結果が欲しかったのだ。
そこで鑑定を依頼した人達に、なんとか偽であるとの結果が出るように圧力をかけたのではないだろうか。
勿論これは推測でなんの根拠も無いのだが、彼らが偽ものに決まっているのですから何とかその方向で結論を出してください、と依頼した場面が目に浮かんでしまうのだ。
だから警視庁は、鑑定人を職員として囲い込んでしまい、真実を明らかにしない様にしてしまったのではないかと想像してしまう。
テレビ朝日はこの件を報道したところまでは評価出来るが、腰が引けているのか後追いはしないようだ。
普段は事件の関係者を吊るし上げ、嘘をついているのではないか、隠しているのではないかと居丈高になるくせに、情けないことだと思う。
もっと酷いのは他のマスコミで、全く取り上げようとしない。
都合の悪いことには目をつぶり、真実から目をそむけることをマスコミが始め出せば、それは戦時中のマスコミと何ら変りは無いではないか。
筆者は北朝鮮のシンパではない。
かの国の体制を憎むこと誰にも引けは取らないと思っている。
だが真にかの国を批判し改めさせようとするならば、それを恣意的に行ってはいけない。
先方が悪ければ悪いほど此方は冷静に万人が論理的になっとくできる行動に終始することが大切だ。
さすれば町村外務大臣のような態度を取ってはいけない。
戦争中少しでも戦争に批判的なことを言えば、お前そんなことを言ってお国のために命を捨てた英霊になんと申し開きするのだ非国民め、と罵られ、まごまごすると利敵行為として監獄にぶち込まれた、あの悪夢の日々がやがては再現される日もそう遠くではないような気がする、といったら言い過ぎだろうか。
ライブドア問題やNHKに対する政府関係者の干渉問題でヒステリックなほど議論された報道の公平性公正性など絵空事に思えてくる。
以 上
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