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00年7月7日のテーマ 国債の返済と姥捨て山

 選挙が終わると財政再建の話題が増えてくる。
 アメリカは双子の赤字として批判されていた国際収支、国家財政、のうち後者については大幅な黒字となり、アメリカ国債の繰り上げ償還が検討されている。
 では日本はどうか。長い日本の歴史の中で、お上が金を借りて返したことはない。ある時は徳政令で、ある時はインフレで実質的にふみ倒してきたのである。
 現在の国債の発行を減少させ、過去の国債の償還をすることができるであろうか。そのためにはアメリカのように、小さな政府を実現させ、支出を減らすこと、好景気となって税収が増えること、の2点が必要なことは常識である。しかしそれはできない相談である。土光臨調以来20年、今だに実効のある行政改革はほとんど行われていないではないか。それどころか景気を回復させると称して、たいして役に立ちそうにない公共事業への支出は増える一方である。福祉の費用も増える一方である。
 一般会計の歳出決算は1994年こそ2%減ったが、1987年以来ここ10年をとってみれば、58兆円から78兆円に35%増加している。特別会計に至っては145兆円から247兆円に70%増加している。
 では景気が回復しアメリカのように長期にわたって税収増が期待できるだろうか。それは幻想である。アメリカとは与件が違う。
 まず第一に日本の少子化である。人口が増えなければ、需要も増えないのは理の当然である。これは本質的な問題である。高齢者が爆発的に増え、それに比例して介護する人も必要となってくる。これらの人々は、消費をするかもしれないが、世の中の富みを増やす生産には直接貢献することはほとんどないので、国民総生産のコストを高くしてしまう。輸入が増えて輸出が減る。このような状況下で景気がどんどん良くなり、国民や企業の所得が増えて税収が上がるということは期待できない。
 一方、生産人口が減ることによって、労働力不足の問題が起こってくる。今でこそ失業が問題になっているが、10年もたたないうちに、好況でもないのに未曽有の労働力不足となり賃金は飛躍的に上昇する。モノやサービスの値段も飛躍的に上昇する。つまりインフレである。
 この段階でようやく国債も名目的な収入の伸びによる増収で返済することができるようになるかもしれないが、その時になって財政再建したとでもいうのだろうか。
 また福祉の費用を切り捨てなければ、そのための国債の発行が必要となってくる。
 いずれにしても、収入の少ない老人たちにとっては、貯蓄の目減りとあいまって、受難の時代となるであろう。そして世界的な食糧不足が、これに輪をかけるだろう。現代の姨捨山が必要となるかもしれない。

以上

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