05年3月25日のテーマ 総辞職せよフジサンケイグループ役員

ニッポン放送問題はライブドアの仮処分申請を高等裁判所が認めたが、新たにソフトバンクインベストメントの登場で、これからの展開は苦しいものとなってきた。
だがこの新たな展開に紛れて有耶無耶にしていけないのは、フジサンケイグループの役員達の責任である。
高裁の決定は、丁寧且つ緻密な決定と言われた地裁の判断を妥当としたばかりか、これを更に上回って具体的にニッポン放送の主張を完膚なきまでに打ち砕いた。
そしてこの新株予約権の問題ばかりではなく、その他の彼らの数々の行動、及びこれから行動すると言明した内容に対し、法律違反の疑いがあるとまで言っている。
裁判所が決定(判決)に直接関係のないことをここまで言うのはよくよくのことで、実態的には法律違反と言っているのと同じで、道義的には勿論刑事上の責任だってあるよといっていると解して良いだろう。
経営者達が我々の主張が通らなくて残念、などととぼけた顔をしていられるような問題ではないのだ。
マスコミは仮処分の結果にのみ言及し、このことにあまり触れたがらないので、この件をこの欄でとりあげる。
日本経済新聞の高裁決定の要旨をのせた面の大見出しが、企業価値の比較司法判断に適さず、とあるがこれはこの点に関し判断しないとの印象を与える点でおかしい。
確かにそのような文言はあるが、原文は、(企業価値の毀損のような)事業経営判断にかかわる要素を適否の判断において取りこむことは相当ではなく、日本放送の主張は主張自体失当である、というもので、要するにそんな主張は意味がない、と言っているのだ。
そしてこれからが大切なところだが、上記で日本放送の主張を退けるのに十分であるに係わらず、但し念のためとしてわざわざ次のことを付け加えた。
フジテレビ等は取引の相手方であるニッポン放送及びその子会社が自己以外に容易に新たな取引先を見出せないような事情にあることを認識しつつ,相手先の事業活動を困難におとしいらせる目的で敢えて取引を拒絶するような行為は独占禁止法及び不公正な取引方法の一般指定第二項に違反する恐れがある。
また、野球放送の契約の解除条項は係争の有利な展開を狙って意図的に合意した疑いが強い。
タレントや芸能人はなどの人材には代替がきく、また従業員が反対していることについては、ライブドアと従業員の話し合いも行われていないのだから、人材の大量流出が生ずると認めるに足りない、とニッポン放送の企業価値毀損の主張全てを、違法且つ合理性がないと思われるとばっさり切り捨てている。
更に、TOB中のフジテレビがTOBを上回る株価を引き下げるようなマイナス情報を流す行為は証券取引法に違反するとまでいわないにしても、公正を疑われるような行動である、と厳しい。
つまり裁判所の判断は新株予約券発行の問題にとどまらず、全般的にライブドアのしていることは間違っておらず、フジサンケイグループは間違っていると言っているのだ.
比較的古い価値観を持つ人と噂される鬼頭裁判長にすら、ここまで言われてしまって責任を感じないような鉄面皮な経営者達は世論からもっと糾弾されてもしかるべきであろう。
総退陣するのが筋だろう。
論理で詰ってくると訳の判らない抽象的感情的な言葉で相手を非難し、やれリスナーに対する愛情だとか、ヴィジョンがどうのと言い出しているが、すくなくとも筆者には現在のテレビや放送の内容にそんなものは毛ほども感じられない。
公正な報道?
今日までマスコミ各社はこの件をいろいろな人に解説させたり、感想を述べさせたりしているが、こういう出演者はごくわずかの例外を除けば、現にフジテレビやニッポン放送のレギュラーであったり、やがては自分にもフジから出演依頼がこないかと思っている連中ばかりだから、あからさまにライブドアの肩を持つ筈もなく、それらのコメントを垂れ流しておいて、公平公正な報道などと主張しているのはまさに茶番ではないか。
マスコミ各社はこれらを承知の上でバイアスのかかった意見を毎日垂れ流していた。
明日はわが身とでも思ったのだろう。
中でもひどいのはサンケイ新聞で当事者のくせに社説まで使ってライブドアを非難していた。
報道の公正はどこへ行ってしまったのだろう。
そんな体質のマスコミは、公正どころか経営者の言いなりと言われても仕方がないだろう。
敵対的な買収は如何なものか、という意見もある。
しかし今日会社合併とか買収とかいう事はそれこそ毎日のように起こっている。
その殆どは友好的、と言うことになっているが、その友好的というのも結局は強者が弱者を飲み込むと言う構図に変わりなく、内容的に敵対的買収と何ら変わりないのが実態である。
筆者は珍しいことに勤めてきた会社で四回のM&Aを経験している。
いずれの場合もその例外ではなかった。
ライブドアの敵対的買収は、経営者も残す(一部だろうが)、従業員の待遇も変えない、番組の内容に口を出さないと言っているのだから、普通の友好的買収より遥かに条件が甘い。
敵対的と言うだけで眉をひそめるのは単なる心象的批判に過ぎない。
簡単にこの騒動を総括すれば、野心を持った若者が、事業を拡大しようとして、いわゆる裏口ネゴシエーションではこの若造がと相手にされないので、正面突破で株の買収に乗り出し、それに慌てふためいたフジサンケイグループの経営者達が自らの保身の為、仲間内だけでポストを独占したい為、手段を選ばず抵抗したと言うことなのだ。
そしてその最終手段が、ソフトバンクインベストメントにニッポン放送の持つフジテレビの株を貸すということだ。
この結果がどうなるかはわからないが、昔日本橋の老舗のデパート白木屋を横井英樹が買収しようとして血みどろの争いとなり、双方にっちもさっちも行かなくなったときに、東急の五島慶太が時の氏神とばかり現れ、全てをさらっていったことが思い出される。
白木屋は東急日本橋店となり、横井は五島慶太の子分となったが、今や東急日本橋店は閉鎖され、横井はホテルニュージャパン火災で司直の手を煩わすことになった。
諸行無常ではないか。
  

以   上

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