04年6月12日のテーマ 民営化せよJRA

お役人は箱物好きで、次ぎから次ぎに無駄な建造物を作るのは誰でも知っているが、とりわけJRAはそれが酷い。
一例を挙げよう。
中央高速道路を走って府中のあたりに来ると、JRA(日本中央競馬会)東京競馬場の壮大なスタンドが見えてくる。
左端が新スタンド、レーストラックの丁度ゴール地点あたりから約120メートルに渉って地上7階建ての巨体が聳える。(因みにこのスタンドはゴール地点を過ぎたところに立っているので、レースを見るには全く不適である)
その右側が現在改築中のメインスタンド、約120メートルが旧メインスタンドの半分を取り壊して工事中となっている。
この二つの建物の総工費が約700億円との事だ。(中央競馬会ファンサービス係談)
そのとなりが未改築のメインスタンドだがこれも現在の工事が終わると取り壊し改築ということになる。
全部あわせて約1000億円の予定とのことだが、筆者の予想では昨今鉄鋼を始め各種資材が値上がりしていることもあり、1100億円を上回ること確実だ。
これらの建物の隣が豪華なメモリアルスタンド(これは改築の予定は無い)とつづき、総延長は約500メートルになんなんとするまさに巨大な建物だ。
記憶に間違い無い限り現在進行中のこの改築は戦後3回目である。
競馬人口の増大に伴って入場者も増えてきたので、ファンサービスと称して大改築、大増築を重ねてきたのだ。
しかしよく考えてみよう。
鉄筋コンクリートのこの種の建物の耐用年数は通常50年くらいはあるのにこの間2回も3回も壊しては建て替えるのは如何なものだろうか。
計画性の欠如、いや、無駄に費用をかけていると批判されても仕方がないのではないか。
競馬ファンが増大しているのでそれに対応しているのです、というかもしれないがちょっと待って欲しい。
中央競馬の入場人員は激減しているのだ。
ピークの1975年の約1490万人から昨年の約850万人まで43%減(競馬VISTA。。。JRA)、ここ3年を取っても2002年の970万人から12%減だ。
先週の東京競馬場で行われたG1レース安田記念にいたっては前年比15%減なのだ。
こうした状況の中で収容人員を大幅に増加させる大建築をするその神経は社会保険料を食い散らかした厚生官僚、労働官僚と何の変りも無い。
ファンサービスです、ダービーやオークスの日はお客さんが入りきれません、苦情が殺到していますと言うひとがいる。
これこそ官僚独特の論理、その日だけのために1100億円かけて大伽藍を建築する必要もなければ、そもそも競馬の事業は福祉事業ではないのだから、希望者全員を入場させる必要性などさらさら無い。
中央競馬会は儲かっています、政府への上納金も定められた以上納めています、と言う声も聞こえてきそうだ。
だが儲かるからと言って無駄ずかいしてよいと言う理屈は成り立たない。
第一この儲かっていると言うのがそろそろ怪しくなってきているのだ。
ひと頃四兆円以上あった売上は去年は三兆円にまで下がった。
ここ3年の推移を見ても毎年約四%下がっている。
この傾向を防ぐ為と称して毎年毎年莫大な費用を投じてテレビコマーシャルを続けても効果は無く、これまたソフト、ハード両面で莫大な費用を投じて馬券の種類を増やしてみても効果は無かったのだ。
やっていなければもっと減っている、との意見もあるだろうがそうだろうか。
効果の乏しい無駄使いと筆者は断じる。
無駄使いはまだまだある。
場内至るところに無駄な人員があまりにも多く、案内係りなど殆ど仕事をしていない。
つまり必要無い。
芝生コースのレースが終わると、ヒズメで荒らされた所を、歩きながら木製プレートでぺったんぺったん叩いて修復する係員が200人(いや300人か?)くらいいる。
この仕事をしていないときは何をしているのだろうか。
芝のレースは一日5レースくらいしかないのだ。
機械化できないのだろうかか?
表彰式は厳重に柵で囲われた中で行われるが女性も含めそれだけのために10人くらいの係員や警備員がいる。
いやそれでなくても場内は警備員だらけだ。
外国馬を日本のレースに出走させる為、顎足つきで莫大な費用をかけて招待し、日本の馬が海外の大きなレースに勝てば一億円の報奨金を出し、通常のレースの賞金は世界最高額(以上関係者情報、多分真実)、金のばら撒き方は尋常ではない。
幾ら美味しい商売でも、これだけ無駄使いを続ければ、収益に陰りの見えてきたことでもあり、やがては破綻するだろう。
現に昔は美味しい商売だった地方競馬は破綻寸前である。
閉鎖してしまったところも数個所ある。
自治体に上納金を納めるどころか援助してもらうていたらくなのだ。
やがて中央競馬もこうなると予想するほうが自然だ。
この地方競馬の問題は中央競馬にも深刻な問題をもたらす。
地方競馬が破綻するとその分競走馬の需要が減って、馬産地の経営不振を呼び、ひいては競馬界全体の構造問題になる。
中央競馬界はこのへんのところを旨く解決しなければならない。
1100億円も投じてガラガラのスタンドを建設する余裕など無いのだ。
なお、付言すれば、この巨大スタンド、年間の稼動日はたったの40日しかない開催されない。
中央競馬界はこの東京競馬場ばかりか全国10箇所の競馬場を次ぎから次ぎに増改築してきたが、40日の稼動は最高で、札幌、函館は16日、福島、新潟、小倉は24日しかないのだ。
稼働日当たりの減価償却は巨額である。
東京競馬場第3期400億(予想)の計画は即刻中止すべきであろう。
そして民営化することを強く主張する。
民営化すれば、国への売上の10%納付はそのままとし、株式を上場し、利益をあげて税金を納め、配当するなどは、無駄を廃するだけでさしたる難しいことではない。
今のまま放置すれば、農水省から天下ってきた官僚どもに食い散らされたあげくに破綻するだろう事は容易に想像できる。
いやそうなると予言しておく。
東京競馬場のガラガラの新スタンドは、競馬会からの補助でもなければ日ならずして食堂などのテナントも撤退するだろうし、ダービーなどの特別な日以外は、閉鎖の運命が待ちうけていることも予測しておく。

以   上

今週のテーマに戻ります