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最近年金についてとんでもない誤解を招く数値が発表された。
新聞によるとそれはこうだ。
「厚生労働省は27日、世代ごとの保険料負担額と公的年金受給額の試算を公表した。04年の年金改革で導入を目指す保険料固定方式の場合、1935年生れの人の受給額は払った保険料(企業負担分を除く)の8.4倍になるのに対し,1995年生れの人は2.2倍にとどまる。」
お役所の発表だから数値には間違いはあるまいが、いったい何が言いたいのだろうか。
年金改革を行っても、まだまだ世代間較差は大きいよ、という印象を与えようとしている。
事実マスコミもそのように報道している。
どうも今給付している年金の額を減らす為のキャンペーン的発表としか思えない。
だが一寸待って欲しい。
1935年生れと1995年生れを比較するのは乱暴な話だ。
これは今日までの時代の変化,インフレ率を全く無視したまやかしの数値なのだ。
1935年生れといえば,初任給は大卒で一万二千円ぐらいだった筈だし、高卒3年目もそんなものだった。
物価は今の十分の一ぐらい。
つまり大雑把に言えば、物価は10倍給料は20倍に跳ね上がったのだ。
保険料率は今も昔も3%ぐらいだが、その価値は食うのに精一杯だった昔のほうがはるかに高い。
だが絶対額は今の二十分の一だ。
仮に年間四千円ぐらい保険料を払ったとしても、その八倍は三万二千円、それが現在の給付額なのだ。
この金額を貰ったとしても,大したことは無い。
今給料20倍として保険料年間八万円。
給付額がそのニ倍とすれば、十六万円、三万二千円の五倍ではないか。
1935年生まれのほうが負担した保険料の「価値」は高く給付の絶対額は低いのだ。
勿論将来とんでもないインフレにでもなれば話は変って来るがそんな徴候は今のところないし、少なくとも厚生労働省はそう考えていないのだから,その前提に立てば,給付が負担の二倍と八倍の較差というのは,数字のまやかしに過ぎない。
更に付け加えれば,所得税については減税に継ぐ減税が今日まで行われてきたのだから、税負担率もはるかに現在の年金受給者のほうが高かったのだ。
預金金利も昔のほうが数十倍も高く,それを放棄して保険料を支払ってきたのだ。
厚生労働省は数値を発表するのなら,こういった点にも触れなくてはいけない。
そんなことよりも,全国いたるところにある厚生年金会館をはじめとする各種施設の収支でも発表したらどうだろうか。
昨今話題となった失業保険金を原資として建てた各種施設と実態は同じなのではないだろうか。
また高額所得者の負担率についても発表して欲しい。
厚生年金の負担額は頭打ちがあるから,所得が多いほど負担率は大幅に減る。
これはおかしな話だ。
報酬比例負担に頭打ちをしないと将来個人に途方もない給付をしなければならない、という意見もあるが構わないではないか。
一人に多額を負担させて将来の負担が増えようが,支払っていない多数に小額を新たに負担させて将来の給付が増えようが大差ないはずだ。
それなのに厚生労働省は最も破綻係数が高い国民年金で、後者のほうに躍起なのは間違いである。
高額所得者は明日の暮らしに困っているわけではない。
徴収も簡単だ。
定額所得者には月月の負担が大変だったら支払いの一時猶予をしても良いくらいだ。
サラ金に借金していても給料から否応無しに保険料は差っ引かれる。
滞納利息はサラ金の五分の一でも十分だろう。
そのほうが消費も増えて経済も良くなる。
お上第一主義は棚に上げ、血の通った政策を取るべきだ。
高額所得者にしても,将来どういうことが起こるか判らないのだし、負担を増やしておけば,彼らの間で今流行の海外資産逃避などしなくても、公明正大に保障が得られるというものではないか。
以 上
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