◆ 第3章 未来へ

          それから1週間。
          のび太の意識はいっこうに戻らない。

          「先生。手術の成功率はどのくらいなのですか?」
          「・・・・・・・・・・いままでの成功例から言いますと、20パーセント以下です。」
          「・・・・・・・・・・・・・・・」
          「でも、このまま何もしなければ、のびちゃんは・・・・・・。」

          手術をしなければ、のび太は生命すら危険な状態であった。
          しかし、手術の成功率は絶望的に低い上、手術にかかる多額の費用も野比家にはあるはずもな
          かった。

          「20パーセントでも、助かる確率があるなら、手術して、のび太くんを助けましょうよ。」

          出木杉がママに言った。

          「僕、クラスのみんなにカンパを呼びかけます。」
          「よし、できすぎ!そうしようぜ。」

          ママの目にまた涙がこみ上げた。
          しかし、いままでの涙とは違う別の涙だ。
          みんなにこんなに愛されているのび太・・・。
          ママはのび太を産んで本当に良かった。そう思った。
          そう思ったら、涙があふれた。

          数日後。 
          もう決断しなくてはのび太の命が危ない。
          出木杉や、ジャイアン達が集めてくれたカンパも微々たるものだった。
          成功率は低いが手術をしなくてはのび太は助からない。
          しかしそんなお金はどこにもない。

          「だめか・・・・」
          「パパ!そんな事言わないで!うううぅぅぅぅぅ。」
          「すまない。ママ・・・・」

          ママとパパは我が子の為には命さえ、惜しくないと思った。
          しかし何もしてあげられない自分達に無性に腹が立った。
          「ママ、パパ、お金は僕が何とかするよ。
          僕はのび太くんの為に未来からここに来たんだ。絶対にのび太くんを助けてみせる。」
          「ドラちゃん・・・・・。」

          ドええもんはそう言い残すと、家に帰り、引き出しの中のタイムマシンで未来へ戻った。



第4章に続く