オケを作ろう


  
 私は大学オケをやっているときに、もっと小編成のオケで古典派の音楽を中心にやてみたいという希望を漠然と持っていた。しかも、徹底的に練習して内容も掘り下げようと。そうして、1986年「The Sinfonietta」が誕生した。同級生、先輩、後輩に声をかけて理想のオーケストラをつくろうと燃えていた。
 最初のコンサートは指揮者に本名徹次さんをむかえて県立劇場でやった。後で聞いたが、メンバーの中にも指揮者やホールにそんなにお金を使わずに、地元の指揮者、もっと小さいホールでやったほうがいいのに、という声もあったそうだ。
 しかし、私はそんなことまったく考えなかった。アマチュアで人様に聴いてもらうのに、低いレベルで妥協することはできない。出来る限りのことはやりたい。

 結果的には第1回演奏会はまあまあの成功といっていいだろう。お客さんも900人くらいきてくれた。
 実はその第1回演奏会の前2か月の大切な時に、40日間のヨーロッパ旅行にでかけた。今思えばとても代表者とは思えない無責任な行動だったが、このことがあとあとすごいことにつながろうとは、その時はもちろん思いもしなかった。
 その大切な時期に熊本を空けられたのは、渋谷君という友達がいたからだ。彼は私がいない間、マスコミをかけまわり熊本のほとんどのテレビ局に取材を依頼し、実際本番前にたくさんニュースで取り上げられた。その他オーケストラのコンサートにつきものの雑務をすべてひとりでこなしていた。今でもとても感謝している。
 第2回はその渋谷君の紹介で小林道夫氏が来てくれてシューベルトの第5交響曲、バッハのチェンバロ協奏曲第1番、ベートーヴェンの交響曲第1番のプログラムでこれまた充実した演奏会だった。小林氏の含蓄溢れる練習は今でも楽しい思い出として心に残っている。
 渋谷君は不思議な男で、ひょんなことから小林道夫さんと友達になってしまたそうだ。小林さんの家に泊めてもらったり、CDをプレゼントされたりと普通では考えられないことが渋谷君のまわりには時々起こる。

 そしていよいよ、第3回演奏会になる。
序章 オケをつくろう!  第1章 音楽の旅・・・出会い
第2章 奇跡!!  第3章 T氏  第4章 西、佐藤両氏
第5章 練習  第6章 Probe  第7章本番
第8章 安永徹  第9章 山下一史  第10章 奇跡 2

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