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12月9日 ブダペスト

朝7時15分の列車でブダペストへ。ブダペストは生まれて初めてです。旧共産圏なのでどこか少々の不安感を持ちながら行きました。ウィーン南駅からブダペスト・ケレティ駅まで約2時間半。列車の道中、ずっと霧というかガスっていてせっかくの世界遺産見学がちゃんとできるのかが心配でした。が、ブダペストに着く10分くらい前から急に青空が見え始めました!幸先いいです。旅では天気は重要ですね。この青空だけでさっきまで持っていた少しの不安を一気に忘れました。

駅にはO君、Sさんが待っていてくれました。篠崎史紀氏の知り合いの知り合いということで当然僕は初対面。でもふたりともとってもいい人で、しかもSさんはブダペスト8年の大ベテラン。このふたりのおかげで僕の初ブダペストは素晴らしいものになりました。

駅についてすぐに両替して(ハンガリーの通貨はフォリント)、コツェルトハウスに電話。夜のラルス・フォークトのリサイタルのチケットのことを確認したかったのです。ネットで取りましたが、コンツェルトハウスからのメールに「当日にチケットを受け取る時は、開演の45分前に取り来るよう。」書いてあります。しかし今日の予定ではぎりぎりになります。それで電話しておいて確保をお願いしたかったのです。
しかし電話してもまず「しばらくお待ちください」のアナウンス。通じたと思ったら英語がわからない人で、また待たされ、しまいにはO君に借りたテレホンカードが残量ほとんどなくなり、とりあえず後まわしにすることにしました。

ブダペスト一日乗車券を買い(500円くらい)ブダ(ドナウ川をはさんで丘の上がブダ、対岸の平地がペスト。その二つが合わさってブダペストになった)にある王宮へ向かいました。でもほんとにガイドがいて助かりました。ハンガリー語の表示はまったくわかりませんが、ふたりのおかげで実にスムースに地下鉄・バスを乗りついで王宮へ行くことができました。
王宮からはドナウ川の向こうに国会議事堂や様々な教会などが美しく見える、まさに絶景!世界遺産に登録されるのも当然です。ほんと晴れてよかった!

ベートーヴェンが演奏したホール、博物館、もと牢屋跡など様々な見どころを解説してもらいながら、ハンガリーのことや音楽のこと、そのほかいろんな話ができて観光以外でもとっても充実していました。
王宮の跡に市場に行きました。ここは珍しい野菜など食料品が豊富です。しかも安い。いろいろと珍しいものがありますがなんといっても一番は豚肉の脂身だけを使った食べ物でしょう。豚の脂身を燻製。しかもそれを油で揚げて(その時の油がラードかどうかは聞きそこなった)食べるそうです。Sさんによるとあまりおいしいものではないみたいです。ただこの料理も長く寒い冬の保存食が元になっているらしいです。冬になる前に豚を丸ごと料理して長い冬に備えるそう。
お昼まで時間があるのでクリスマス前のこの時期限定のあったたいお酒を賞味。ワインにシナモン他を入れた甘い温まる飲み物です。さっきの豚の脂といい厳しい寒さを乗り越える長年の知恵がこうやって残っているんですね。これも美味でした!

昼食はもちろんハンガリー料理。おいしい、量が多い。ヨーロッパはどこも日本より量が多いのですが、ここハンガリーはその中でもびっくりする量です。グーラッシュ・スープ、ダック、猪肉、マッシュルームを揚げたものなど、最初見たときは一瞬たじろぎました。最初はあまったらもって帰ろうなんて言っていましたが、最後にはもって帰るほどは残っていませんでした。あーーうまかった。

昼食後にはSさんは仕事に行き、O君とふたりでクリスマス市に行きました。町の中心地の広場にたくさんの屋台が並んで楽しい雰囲気。いろんなものを売っていて、もって帰ることさえできたらいっぱい欲しいものがありました。しかし旅行者のつらさで厳選に厳選を重ね、ハンガリーのこてこての民俗音楽のCDと美しい写真を一枚買いました。どちらもブダペストのいい思い出になることは間違いないでしょう。

後はお茶を飲んだり、スーパーでグーラッシュの素買ったりして名残惜しみながらケレティ駅へ。ここで再びコンツェルトハウスへ電話しましたが、少し待たされてやっと通じたと思ったらなぜか突然通話が切断。しかたないのでそのまま行くことにしました。

お初のブダペストは最高でした。おふたりのおかげです。
観光の助けになったのはもちろん、異国、特に日本とは距離も心理的にも遠い国で生活する二人の話を聞けたことは実にいい勉強になりました。二人が言っていたことで一番印象的だったのは日本を離れてこそわかる日本のよさも悪さもある。でも良さのほうを強く思う、と言っていました。特に人のことを思いやる気持ちの優しさは、日本人は素晴らしいといいます。
そういう美点を持っている日本人だと思います。が、最近の日本人の中にこの美点を見出せない人も多くなってきていることも事実だと思います。自分の国ですから本当にいい国になってほしいですね。僕は中学教師なので責任を感じます。

少し遅れてウィーン。西駅に到着
ラルス・フォークトのリサイタルはぎりぎりに間に合いました。心配していたチケットは何の問題もなく確保してありました。

プログラムは
ブラームスの間奏曲op117
現代曲(名前は忘れた作曲家の作品。)
モーツァルトのソナタk332
休憩
モーツァルトのソナタ(番号不明)
現代曲(前半と同じ作曲家の作品)
ブラームスの間奏曲op119
アンコールに
シューベルトの楽興の時3番
そして、初めて聴く曲

プログラムも興味深いし、演奏ももちろんいいし、ピアノの音の美しさも日本とは一味違うように感じました。空気のせいなのか?音楽の都の力はすごいですね。

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