序章 パリ大好き!! 第1章 パリの街 第2章 パリのレストラン 第3章 オペラ・コンサート
第4章 パリの観光 第5章 パリの美術館 第6章 フランス語 第7章 ミシュラン
第8章 飛行機の乗り方 第9章 レンタカーの旅 第10章 パリのホテル
第11章 パリのお買い物 第12章 パリの乗り物 第13章 お金、クレジットカード
第14章 核実験 第15章 たこやき 第16章 旅の本

第3章 オペラ・コンサート

 パリのオペラと言えば何と言っても有名なのは、オペラ・ガルニエと呼ばれる由緒正しいもので、パレ・ロワイヤルから伸びるオペラ通りの突き当たりにある。シャガールの天井画など見所も多いらしい。(実は私はまだ行ったことがない。)
 しかし今はそこはほとんどバレエ専門の劇場になっている。プッチーニやヴェルディのオペラを見ようと思ったら、バスティーユの新オペラに行かなくてはならない。モダンで機能的な建物のオペラハウスで、オープン当時韓国人指揮者チョン・ミョン・フンが大抜てきされたことで有名になった。私はそのチョン・ミョン・フンがやめてからしか行ったことがない。

 1996年1月2日、「ラ・ボエーム」。超人気のテノール、R・アラーニャがでる人気の公演だった。しかし私が大感動したのは、オーケストラに対してだった。チョン・ミョン・フンはやめていたが彼が仕込んだと思われるオーケストラは 舞台以上にドラマを演じていた。ボエームというオペラは、きれいなメロディーがあふれているが歌手以上にヴァイオリンがチェロがフルートがトランペットが、美しい歌を歌っていた。もうすっかりボエームの世界には待ってしまった。それに演出(特に2幕、3幕)のリアルで夢のある舞台もパリにいる幸せを感じさせてくれた。

 不思議なのは休憩時間に飲み物を飲みたくてもコーヒーがないこと。飲めるのは缶ジュースかアルコール類。あれほどのコーヒー好きのパリっ子なのになぜだろう。サル・プレイエルというコンサートホールでのコンサートでもコーヒーはなかったと思う。立ち食いのアイスクリームはあったけれど。あんなにコーヒー好きのフランス人なのになぜでだろう?

 コンサートも何度か行った。印象的だったコンサートはたくさんある。パリ管弦楽団にピアノの、ポゴレリッチがきてチャイコフスキーのピアノ協奏曲をやったのが、すごかった。あまりに良かったので、後半のショーソンの交響曲は聞かずに帰ってきた。もう10年近く前になる。

 1996年1月はじめのパリ管弦楽団でツィメルマンとドホナーニがやったラヴェルのピアノ協奏曲も究極の音楽会のひとつだった。ラヴェルの一見人工的な、それでいて感情に訴えかける力も強い曲をパリという最高のシチュエーションできかせてくれた。パリにいてラヴェルの名演が聞ける。これは大変な贅沢というものだった。第2楽章の全く濁りのない、透明な美しさはいつまでも心に残っている。

 コンサートではないが、パリでの音楽の思い出で忘れられないものがある。初めてパリに行ったときレコード屋に入った。そこで流れていたのがシューマンの「子どもの情景」
 アルゲリッチの新しい録音だった。アルゲリッチの大きいポートレートが印象的なレコードジャケットで、確か日本でも発売されていて話題になった録音。パリに初めて行ってパリの雰囲気に浸り始めた私は、思わず立ちすくんでシューマンのロマンに酔った。

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