フランス旅行2004

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今回のパリのホテルは、5年前に両親といったときにも使ったParc St Severin
ここは以前たまたまその近くを通ったときに、そのたたずまいに惹かれ、調べてみたら悪くなさそうだったので5年前に使ったというわけだ。今回は4人全員シングルにしたが、当然ツインもあるし、7階(日本風に言ったら8階建ての最上階)それから6階はテラス付でパリのモニュメントを窓から眺めることが出来る。特に最上階の70号室はほぼ360度のパノラマでエッフェル塔、凱旋門、モンパルナスタワー、サクレクール、ノートルダムなどを見ることができる。父はこのテラスでラジオ体操をしていた。

さて今回だが、この全27室しかない小さいホテルの、その小さいがゆえの良さがすごく出ていてみんな大満足だったようだ。小さいがバスもあるし冷房もある。(パリの小さいホテルには冷房がないことも多い。メトロもタクシーもレストランもそう。そのせいか去年の猛暑で数千人も亡くなった。)
フロントと客、お互い顔もすぐに覚えるので、こちらとしても安心感があるし、外出から帰ってフロントに行くと自動的に自分の部屋のキーが出てくる。
MさんYさんは以前のパリではコンコルドラファイエットに泊まったそうだが、ポルトマイヨーという凱旋門のはるか先にあるというロケーション、それから巨大ホテルが故のよそよそしさがあり、あまり印象はよくなかったみたい。それゆえ特に今回のホテルライフを楽しんでいたようだ。

3日目にストラスブールに行くとき、一日分の荷物だけもってスーツケースはホテルに預かってもらえるようにお願いしたら、部屋にスーツケースを置きっぱなしにしていればいいという。後はどっかに保管してくれるというのだ。もちろんストラスブールから帰ったら部屋にちゃんと戻してあったそうだ。(僕の荷物だけ戻っていなかったのでフロントに「僕の荷物もらえる?」と電話したらすっとんでもってきてくれた)。ホテルとしては当然のサービスかもしれないがそれを実に気持ちよくやってくれるとこっちもチップをはずみたくなる。その他、レストラン、タクシーの予約はもちろん、バスで凱旋門に行く方法とか、ちょっとしたことだがとっても助かった。
僕以外の3人で近くの有名中華「Mirama」の予約もやってもらったそうだが、次の日に笑顔で「美味しかった?」と聞かれたらしい。こんなちょっとしたことでも旅はさらに楽しくなる。

場所もいい。街もそこに住み人々も美しい。ノートルダムまで歩いて5分。パリのど真ん中ということもあり、移動もすごく便利。誰にでもお勧めできるところだ。すぐ近くにギリシャ料理店などが並ぶにぎやかな通りがあるが、ホテルそのものは教会のすぐ横の実に静かな環境にある。水や果物を買える小さいスーパーも遅くまで開いているので夕食の後、買い物して帰ることもできる。

そんな素敵なホテルだが、次にパリに来る時には別のホテルに泊まろうと思っている。別のホテルというより別の地区。かの玉村豊男氏が5区と6区を中心に歩き回っているということで僕もまあこのあたりを宿にすることが多かった。しかしパリには20もの区があり、それぞれ特徴があり、観光地ではないところにもすばらしい魅力があるらしいこともわかってきた。

稲葉宏爾氏の「ガイドブックにないパリ案内」。これは奥さんである稲葉由紀子さんの「パリでお昼ごはん」「新・パリでお昼ごはん」と並んでパリを深く知るには絶対の名著だ。僕はパリの、誰もが知っているような観光地の美しさも全然否定しない。しかし、これらの本を読んでいると僕にはどうも稲葉さんたちのテリトリーであるパリの方が馴染みやすいような気がしている。
例えばベルヴィル、モンパルナス、バスティーユ。

ベルヴィルはパリの東部にあり、中国人をはじめ移民が多く住む地域。13区と並ぶ大規模な中華街もあるらしい。パリの主な観光地からは全く外れたところだがどうも気になる地区だ。人情あふれる素敵なところに違いない。安くておいしいレストラン、そして安くて快適なホテルもありそう。しかしミシュランを見るとベルヴィルのホテルの掲載された数は少ない。
モンパルナスにはほとんど行ったことはない。一度“Le Vin des Rues”という有名な下町レストラン(すばらしかった!)に行ったきりで、「モンパルナスはパリ再開発の少ない失敗例で、けばけばしくなっただけ」というどこかで読んだ情報を後生大事にそれ以来近寄らないようにしてきた。
しかし、稲葉さんの本を見ていると、例えばモンパルナス近くの車は入れないダゲール通りとか、そこに住む人々の生活の楽しそうな匂いがぷんぷんしてくる。
バスティーユの先についても、ひところは治安も悪い、あまりきれいではないところとしてガイドブックにも書かれることが多かった。しかし、昔の鉄道高架下が職人街として生まれ変わり、家具、ポスター、写真、版画、模型など伝統的な職人と新しいアーティストたちの店や工場が並んでいたりとこれまた魅力的。

稲葉さんが書いていないところも合わせると他にも魅力あふれる場所は数知れない。

次回はこういったパリの普通の暮らしに満ちたところにホテルを見つけ、もっと普段着のパリを楽しみたいと思う。


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