◆サブリナ◆
(SABRINA 1995)
オードリー・ヘプバーンの名作「麗しのサブリナ」のリメイクのため、どうしても
オリジナルと比べられてしまって不利なこの作品ですが、私は、大好きです。
父親の仕える大富豪の御曹司に恋したサブリナ。
最初に彼女が恋していたのは遊び人でハンサムな次男坊のデヴィッド。
堅物のライナスは、どうにも苦手。
それにしても、ジュリア・オーモンド演じるこのサブリナ、パリへ行く前は、
本当に、ちょっと冴えない女の子。
木の上から、ララビー家のパーティを覗き見てはため息をつく女の子。
いつか、彼の目にとまって、パーティで一緒踊ることを夢見ている。
なんてうぶで可愛いのでしょう。
憧れのデヴィッドが、2つのグラスを持って温室に消えることも知っている・・・。
父親が、そういうサブリナを心配するのも無理はないですよね。
だから、お屋敷の奥様から仕事の紹介があったとき、彼女がパリに行くのに
賛成するのですよね。このお父さん、オリジナルでもそうですが、とっても
素敵な父親で、ある意味理想の父親像かもしれません。
そして、ライナス。
有能な企業人で、人情よりもビジネスが優先。
少なくとも、最初のうち、彼は、人にも自分にも、そう信じさせているようです。
でも、彼はそれだけじゃぁありません。
だって、もし、そうだったら、パリから、大変身して帰ってきたときの、あの一言が
出てくるはずがありません。
あのときの、デヴィッドとの反応の違いがすべてだという気がします。
人の本質を見ていないと、ああいうふうにはならないのでは、と。
ハリソン・フォードのライナスと、グレッグ・キニアのデヴィッドが、なんとも
好対照で、いいですね。
好対照で、でも、どちらも、決して見かけだけじゃない。
デヴィッドも、決してお気楽に遊んでいるだけではないから。
そして、パリから戻ってきたサブリナと、ライナスの間で交わされる
様々な会話。
そこに、冷たいと見えた人間の真実の思いがある。
だから、心を動かされるのです。
それには、サブリナ自身もパリで変ったというのも理由としてあるでしょうね。
変った、というよりも、少女が大人になったと言うほうが正しいかも。
だんだんと、デヴィッドの写真の位置が変っていくのが印象的でした。
これは、1つのシンデレラ・ストーリー。
それは、恋の相手のせいではなく、心から恋する人と出会えたから。
そして、シンデレラは、女の子とは限らないのかもしれません。