◆地獄の黙示録◆
(APOCALYPSE NOW 1979年 アメリカ)

監督: フランシス・フォード・コッポラ
脚本: フランシス・フォード・コッポラ、ジョン・ミリアス
出演: マーロン・ブランド、ロバート・デュバル、マーティン・シーン、
  ハリソン・フォード


すごい。
なんて濃厚な世界。
戦争の狂気、ただそれだけでなく、
心に残る重厚な感覚。

特殊部隊に入ってベトナムに行き、そのまま、カリスマ的な指導力を発揮して
そこにとどまってしまったカーツ大佐。
彼を暗殺するために差し向けられたウィラード大尉。

戦闘を潜り抜けて、川を遡り、ウィラードがカーツを求める。
ただ、同じ国の人間を殺すためだけに、何も知らない仲間を危険にさらしながら。
私には、そこまでしてカーツを殺そうとする上層部も、充分狂気に満ちていると
しか思えませんでした。
戦争は、人を狂わせるのです、きっと。
戦地にいる人間だけでなく、関わった者全てを。
戦争が終わって、その狂気を拭い去れる者は幸せ。
そうでない場合は・・・?

任務を待ち、密林に戻ることを、ひたすら待ち望んでいたウィラードは、
後者だったのですね。
彼は、「カーツを殺せ」という任務を背負ってはいましたが、
それは、表向きのこと。
本当は、最初から、どうしようもなく、カーツを求めていたように思えます。
無意識的に、潜在意識の中で。
殺すために探していたのではなく、ただ、
その存在を求めて、死地に赴いた。
任務であると、自分自身をすら欺いて。

ベトナムの、ねっとりとした空気が、心にまつわりついてくる気がしました。
ハリソン・フォードとコッポラ監督に惹かれて観たけれど、
もしかしたら、観ない方がよかったかもしれません。
あんな世界にからめとられるのは、怖いです。


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