◆オープン・ユア・アイズ◆
(ABRE IOS OJOS 1997年 スペイン)
監督:アレハンドロ・アメナバール
出演:エドゥアルド・ノリエガ、ペネロペ・クルス他
そうか。こういう話だったのですね。予告編を見たときには、もっと
グログロで、理解不能な世界が繰り広げられるのかと思って劇場で見るのを
止めたのですが、もったいなかったかも。
予想以上に面白かったです。
ハンサムで裕福な青年が、遊びでつきあった女性に無理心中を図られ、命こそ
助かったものの、顔にひどい傷を負ってしまいます。
自分のルックスに自信を持つ人間にとっては、すごくショックですよね。
そして、本当に好きになった女性とも、ぎくしゃくしてしまうなんて。
そんな彼の、事故までの経緯と、彼の病院での医師とのやり取りを交互に
映し出すことでストーリーは進んで行きます。
自分の傷を負って醜くなった顔を恥じ、マスクをして生きる男。
彼の「現実」が、だんだん崩れ始め、どこからが本当の世界で、何が幻なのか、
だんだん判然としなくなっていきます。
こういうふうに、図らずも幻想とも妄想ともつかない世界に足を踏み入れてしまう
お話って、けっこう好きなのですよね。
主人公は、だんだん惑乱し、死んだはずの元恋人までもが見えるようになります。
いったい、自分は目覚めているのか、夢を見ているのか?
それとも、正気を失って、幻覚を見るようになってしまったのか?
そうではなく、全てが、自分を陥れるための罠ではないのか?
これは、主人公だけでなく、観客にも、明かにされません。
だから、こちらは、現実の世界を見ているつもりが、いつの間にやら
尋常でないものを目にしていたりするのです。
人間の感覚なんて、けっこうあてにならないものなのですよね。
見たいものが見えたり、逆に、見たくないものが見えてしまったり。
それでも、その感覚を頼りに生きていくしかないのですけどね。
足元が崩れそうな、頼りない感じ。
自分の記憶すら信用できないとしたら、何を信じていいのか分からないですから。
それでも、真実を突き止めようとする意志があれば、道は開けるものなのでしょうね。
もっとも、それが、新たな落とし穴の入り口でないという保証はないですが・・・。
映画Topへ
Topへ