◆O(オー)◆
(O 2001年 アメリカ)
監督:ティム・ブレイク・ネルソン
脚本:ブラッド・カーヤ
出演:ジョシュ・ハートネット、ジュリア・スタイルズ、
マカーイ・ファイファー、エルデン・ヘンソン他
シェイクスピアの「オセロ」を、現代アメリカの高校に置き換えた物語。
悪巧みをするイアーゴにあたるのは、高校バスケの選手ヒューゴ。
チーム唯一の黒人で、スター選手のオーディンが、オセロ。
その恋人デジーがデズモーナね。
そして、オセロの嫉妬の対象にされるのが、チームメイトのマイケル。
ヒューゴは、コーチである父の愛情も、美しいデジーの心も、
周囲の歓声も、全て持っているオーディンに激しく嫉妬します。
その表情が、なんとも、痛くて・・・。
ヒューゴが、何よりも求めていたのは、父の愛情でしょう。
なのに、その父は、スター選手であるオーディンのことばかり
気にかけて、自分には無関心。
その、暗い瞳。
だから、ヒューゴは、オーディンを陥れようとしたのです。
それしか、自分を守る道がなかったから。
だから、いつでも、自分が仕掛けた罠に、自分がはまったかのような、
苦しい瞳をしているのです。
仕掛けた罠が図にあたって、オーディンが、デジーとマイケルの
仲を疑い、ことが望んだ方向に動いていっても、
ちっとも嬉しそうな、してやったりというような表情をさえ、
うかべることはないのです。
痛い、あまりにも痛い計略。
全ては、悲劇的な方向へと走り出し、止まらない。
もしも、なんて言葉は無意味だけれど、もし、もしも、
あの父親が、もっと、ヒューゴへの愛情を彼に伝えることが
できていたら・・・。
ヒューゴがバスケを始めたのは、きっと、ひとえに父親の
歓心が、愛情がほしかったからに違いないのだから。
彼らの属するバスケチームの名前「ホークス」
チームのマスコットである鷹の姿が凛々しければ凛々しいほど、
それは、ヒューゴの心を傷付けてしまう。
その、大空舞う姿は、彼にとって、オーディンその人の姿だから。
誰か、1人でも、ヒューゴのことを1番に愛してくれる人が
現れて、ヒューゴにそれを信じさせてくれていれば。
無邪気に、屈託なく笑う彼を、見てみたかった・・・。
(2001.12.29 マリオン)
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