◆イン・ザ・ベッドルーム◆
(IN THE BEDROOM 2001年 アメリカ)


監督:トッド・フィールド
原作:アンドレ・デュバス
脚色:ロブ・フェスタィンガー、トッド・フィールド
出演:トム・ウィルキンソン、シシー・スペイセク、マリサ・トメイ、
   ニック・スタール、ウィリアム・マポーザー他


なんて、重たくてやりきれない物語。

平和に暮らしていたはずのマットとルース夫婦。
息子フランクは健やかに育ち、大学の休暇で帰省中。
父子で漁に出る姿は、本当に微笑ましく。
そのフランクには、ナタリーという素敵な恋人もいる。
気がかりは、ナタリーが、離婚手続きの終っていない
子持ちの女性だということ。
でも、フランクとナタリーは、ナタリーの子供も
含めてとても幸せそうで。

なのに、突然の不幸は、ナタリーの夫の形をして
襲い掛かってきました。
必死で彼からナタリーを守ろうとするフランク。
そのフランクに、そいつは、、、
その行動は、嫉妬からですらない。
ただの、むき出しの、醜いエゴ。

そんな男が、なぜ、極刑に処されないのか?
そして、マットとルースの前から、姿を消すことさえしない。
その暗い心の闇の恐ろしさ。
街中で、ルースと顔をあわせたとき、彼の表情に、
人間らしさなんてかけらも見えません。

そんな男に取り付かれて、精神の安定を保つのは
容易なことではありません。
それは、かろうじて保っていた2人の夫婦としての
絆をさえ見失わせてしまいそうで、、、
仮面をかぶって、一見穏やかに2人の姿が
見えれば見えるほど、崩壊の危機が迫っているようで、、、

相手を傷つける言葉でしか、自分を守ることができない
なんて、あまりにも哀し過ぎます。

だから、彼らが選ぶことのできた道は、あれだけ、、、
でも、それは、彼らを救うことはないでしょう。
新しい闇の中に、彼らを取り込んでしまっただけ、、、
それは、自分達の心の中から生まれてしまった闇。
誰でもが、もしかしたら心の中に抱えていて、
普段は、自分でも気付かないでいられるのに。

せめて、2人が、互いに向き合って、
支えあって行くようになれればよかったのに、、、

(2002.8.17 札幌劇場)


映画Topへ
Topへ