◆アンナ王様◆
(ANNA AND THE KING 1999米)


素晴らしい!
英国からシャム王国に皇太子の家庭教師としてやってきたアンナ。
彼女が持ってきた西洋の文化が、シャムに新しい風を持ち込んでいる。

最初に、シャム王となかなか謁見できないことに業を煮やしたアンナの行動。
それから、息子のルイと皇太子がケンカを始めたときに、公平に扱ったこと。
そして、そのときの王の行動!
アンナ1人分の食事だけを運ばせるなんて、やるぅ!
それをきっかけに、皇太子のアンナを見る目が変わったのは嬉しかったです。
彼が、本当はとってもいい子なのがよく分かって。
「奴隷制度」への疑問を持つまでに成長したのですから。

チョウ・ユ・ファ演じる国王は、本当に立派な為政者です。
それまでの風習通り、たくさんの妻と側女を持って、何十人もの子供をもうけて
いますが、それ以外は、まったく完璧!
民のことも、国のことも、とても大事にしている。
だからこそ、妻達や子供たちに、西洋の教育を受けさせることも実行して。
プティカムの件は、とんでもない悲劇でしたが・・・。
あの恋人のことは知らなかったとはいえ・・・。

アンナが尽力した英国との夜会。
本当に華麗なものでした。
その前の準備で、1番大変だったのは、参加者の意識の改革だったかも。
「たった1晩」だけとは言っても、ね(笑)

このときの、2人のダンス。
夢のような、幻のような。

ただ、保守的な国ですから、王の西洋化政策には反対派もいて当然といえば当然。
その勢力が、とんでもないことをしでかします。

ちょうどこのとき、出国しようとしていたアンナに、総理大臣が言った一言。
「Please」。
当時のシャムで、男性が女性に頭を下げるなんて、ありえないと言ってもいいこと。
それをするほど、この人は王を慕っている。大事に思っている。
だから、王を翻意できるただ1人の人アンナに、ものすごい決心をして頭を下げた。
胸が熱くなりました。

裏切り者の反乱に対してとった王の行動。
まさに、王の中の王!
これができる王は、そうたくさんはいないでしょう。
どうなってしまうのか、見ていてはらはらしました。
死を覚悟した彼が、息子に、皇太子に後をたくすシーンでは、涙がとまらなく
なりました。息子も、父王の覚悟を感じ取って、しっかり受け取っていた・・・。

でも、そこを救ったのはアンナの機転。そして、王を想う妻達、子供達。
そして、言いつけ通りにその場を離れなかった彼女達をとがめる王に、皇太子が
毅然とした態度をとったことで、さらにボロボロと、、、

そうやって、アンナとシャム王の心は次第に寄り添っていきますが、アンナが
彼の妻(の1人)になることのできる時代ではありませんでした。
哀しいことに。
たくさんの妻や子供を捨てるわけにはいきませんし。

だから、アンナは、別れを決意するしかなかったのです。
切ないラスト・ダンスを残して。

この物語、実は皇太子の視点で描かれていたのですね。
冒頭のナレーションの時点では、それはシャム王の視点だと思っていたのですが、
最後に、皇太子のものであったことが明かにされます。それも素敵。
なんだか、どこかで見た手法のような気もしまえすけれど(笑)

                                      (2000.2.5 東宝日劇)

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