◆エイミー◆
(AMY 1997豪)

エイミーは、父親が死んでから、心を閉ざしてしまっている。
そのせいで、耳も聞えず、口もきけない。
なんて悲しい。
その状況と交互に、エイミーと両親との幸せな時間がフラッシュバックのように
映し出される。
なんて、なんて幸せそうな一家。
このときには、まだ、何が原因で、ロック・スターである父親が命を落としたのかは
分からない。でも、エイミーが心を閉ざしたのは、父の死が原因。

母タニアからエイミーを取り上げようとする児童福祉局の人間から逃げて、親娘は
メルボルンへ。
最初、2人がやってきたこの街を見たとき、「ここは、よくない。エイミーをよけいに
追い詰める」と思ってしまいました。「よそ者だ」と冷たく見る若い男2人。
好奇心むき出しで近寄ってくる少年。
なぜか蔑みの目で見る老女。
だから、タニアが、どうしてこの街を選んだのか、納得がいかなかった。
でも、きっと、その雑然とした中に自分たちを埋もれさせたかったのだと思す。

それにしても、大事な娘が、聾唖になってしまった原因がわからず、手の打ちようが
ないなんて、タニアは、どれほど心を痛めたことだろう。
そして、彼女は、向いに住む売れないミュージシャン、ロバートに対し、特に
神経質になっている。特に、「エイミーは歌える」なんて言われたときからは。
それはそう。母親である自分が聞いたことがない娘の歌を、
赤の他人が聞いているなんて、ショックに決まってる。

エイミーと仲良くなろうとする少年ザック。
この子、すっごくいい子。
歌でならエイミーコミニュケーションが取れると聞いて、お手製ドラムで
やってくるところなんて、最高!
家庭に問題があって気の毒な子だけれど、それにも負けず、一生懸命生きている。

そして、ロバート。
ひょんなことから、エイミーが、歌なら歌えるし聞くことができることに
初めて気付いてあげたのは彼。
それは、きっと、ロバートが、ものすごく、エイミーの父親ウィルと同じぐらい
歌が好きだったから。
彼と、公園で遊ぶときのエイミーの笑顔はとても明るくて、輝いていて、
ものすごく嬉しかった。
ただ、タニアがいない間に黙ってでかけちゃったので、
帰宅後、一悶着起こっちゃったけど・・・。

エイミーを思うあまり、やりすぎちゃうところはあるけど、タニアって、
ものすごくいい母親。
だから、ロバートへの意地からエイミーの気持ちを無視したりしない。
自分も、傷ついているけれど、娘が、もっと大事だから。

終盤、行方不明になったエイミーをみんなで探すシーンは最高!
歌でしかコミュニケーションの取れないエイミーのために、みんなで歌う。

ものすごく好きだけれど、泣くまではいかないなと思っていたら、ラスト、
いきなり、がつんとやられてしまった。
不意打ちだったから、ストレートにやられてしまった。
でも、それは、嬉しい衝撃。
こういう衝撃なら、大歓迎。

                          (1999.12.5 シネスイッチ札幌)

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