◆海の上のピアニスト◆
(THE LEGEND OF 1900 1999米・伊)
なんて素晴らしい!
こんな感動をもらえるとは思っていませんでした。
好みだろうなぁとは思っていたのですが、ここまでとは・・・。
やられました。
今年は、音楽の力を実感させてくれる作品とたくさん出会えた気がする。
年の始めの「のど自慢」から、「ウエディング・シンガー」、「リトル・ヴォイス」、
「エイミー」などなど。
その中でも、これは、ぴかいちです。
海の上で生れ、ずっと、豪華客船ヴァージニア号でのみ暮らす「1900」。
そして、彼の育ての親ダニー。
この2人の関係、ものすごく素敵。親子関係は、血縁ではないのですよね。
冒頭、マックスと楽器屋との会話。
偶然から、マックスが語り始める親友「1900」のこと。
それにしても、この当時、1920年代後半。
ヨーロッパからアメリカに渡るというのは、どういう意味を持っていたのか。
彼らが、アメリカにつき、まず真っ先に出会う「彼女」
「彼女」を見つけた乗客が叫ぶ一言。
「America!」
この、万感こもった叫びに、まず、ぐっときちゃいました。
まだ、全然、そんなところではないはずなんですけれども(^^;
そして、「1900」の暮らすヴァージニア号に楽士として乗り込んだマックス。
船酔いで苦しむマックスと「1900」との出会いのシーンは、この作品の中でも
特に忘れがたい1シーンです。
あんなふうに、波に漂いながら紡ぎ出される音楽たち。最高です。
このとき、「1900」は、かつて養父ダニーが言った言葉を口にします。
私は、最初、ずっとそれを信じているなんて、さすが陸に上がったことのない
ピアニストは、疑うことを知らないのだなぁと感激したのですが、後から、
もう1つの可能性があることに気付きました。それは、彼が、そのセリフを、
自分だけの冗談として口にしたのだということ。「馬」に「孤児院」だなんて(笑)
「1900」のピアノには楽譜がありません。
それは、彼の音楽が、楽譜という2次元には収まりきらないものだから。
彼がパーティでピアノの前に座ったとき、いったい、どんな音楽が生れるのか、
誰にも予想できません。
その音楽も素晴らしいのですが、その、一等船室の客たちのスタイル。
かのミステリの女王、アガサ・クリスティの描いた人々の姿。
それを、思いがけずにそこに見出して、映画そのものとはほとんど無関係な
とことで喜んでしまいました。
さらに、大笑いだったのは、ジャズの生みの親ジェリーとの対決。
ぜったい、何かやるだろうとは思いましたが、まさか、ああくるとは。
ああいう性格、大好き!
それにしても、ティム・ロスって、名優ですね。
その表情は、まさに、「1900」そのもの。彼なしでは、この作品は成立しなかった
のではないでしょうか。
そして、あのラスト。
お約束といえばお約束なのですが、やはり、涙がぼろぼろと出てしまいました。
迷わずサントラを買って、かけっぱなしにしています。