◆T.R.Y.−華麗なる賭け◆
(2003年 日本)
─ THE ORIGINAL BOOK ──────────────────────
『T.R.Y.』(ISBN4-04-358201-3)
作者:井上尚登
出版:角川文庫
─ STAFF&CAST ───────────────────────────
監督:大森一樹
脚本:成島出
出演:織田裕二、渡辺謙、黒木瞳、
ソン・チャンミン、ピーター・ホー他
─ COMMENT ─────────────────────────────
原作も、とびっきり面白いですが、映画も、それに負けない、
いえ、それ以上の面白さ。極上のエンタテイメント。
映画の冒頭、舞台となる当時の上海を、モノクロで
映して見せ、その中に、まずはちらほら、そして
人ごみの中で、徐々にはっきり姿を見せ始める1人の男。
織田裕二演じる詐欺師井沢修。
彼が演じてみせる詐欺の手口。
競馬場での見事な騙し。
銃を使った大掛かりな騙り。
(詐欺の)エキストラの子供への井沢の一言。
思わず日本語が、出ちゃったようなその表情。
あっという間に、井沢修の虜になりました。
そして、一転、刑務所にいる井沢。
彼を訪れた面会人、、、
井沢のこの世から消すことを、暗殺者集団「赤眉」に
依頼した男からの殺害予告。
この男が、井沢に殺意を抱いた理由は、原作からは
大きく変えてありました。
井沢の詐欺にあったという点は同じでも、詐欺の手口と、
そして、もう1つの、もっと大きな理由。
娘が、井沢の影響で革命に身を投じ、はかなく散ったこと。
この理由を省略しちゃったのは、これがあると、
申告になりすぎるからかなぁ。
アイリーンは登場してくるのだし、これは使ってほしい
エピソードだった気がします。
でも、これがないから、あの、ある意味突き抜けた明るさを
持つ井沢が生まれたのでしょうけど。
刑務所内で赤眉に送り込まれた刺客に襲われ、
危ないところを関に救われた井沢。
それが、彼らの革命に必要な武器をペテンで
日本陸軍から騙し取る、壮大なゲームの始まり。
「しょせん俺は三流のペテン師なのよ」
「やばくなったらすぐ逃げる」
「革命なんて関係ない」
そんなことを言いながら、彼らの熱意に巻き込まれ、
好きになってしまったのが、運のつき(笑)
そんな井沢だから、陳も、「あにき」と慕って、
どこまでもついてくるのでしょうね。
この陳くんが、なんとも可愛い少年で、目の保養、目の保養(笑)
そして、武器を手に入れるため、一行は日本へ。
落ち着き先は、かつての知り合い、芸者の喜春姐さん。
ターゲットは、陸軍中将の東。
猜疑心が強くて隙のない東の付け入る隙は?
これは、原作と同様に、「犬」
愛犬家クラブのパーティで、接触を図る井沢。
ここへ、何も知らない喜春の登場や、犬同士の大騒動。
この一幕は、コミカルで、なかなか楽しかったでしょうに、
スクリーンで実現されなかったのは残念。
東の疑い深さを逆手に取った井沢の作戦勝ち♪
計画は、軌道に乗ったかに見えたのですが、、、
さまざまな横槍が入り、追い詰められていく井沢たち。
絶対絶命のピンチに立たされた井沢。
一発大逆転の手はあるのか?
思い掛けない伏兵が現れたりして、最期まで、
目が離せない展開でした。
ストーリーも、そして、舞台に応じて、様々に
衣装を、そして表情を変える井沢の姿に釘付け。
帽子の被り方、そして、マッチでたばこを吸う姿。
なんて、さまになっているのでしょう。
嬉しかったのは、エンタテイメントに徹したせいか、
原作よりも、登場人物が死ななかったこと。
お気に入りの登場人物たちが消えてしまうのは、
すごく悲しいですから。
最後の一大スペクタクルも、まさに映画ならでは。
すごかった!
1年のスタートにふさわしい、大満足の1本。
(2003.1.11 室蘭スガイ)
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