◆ティファニーで朝食を◆
(BREAKFAST AT TIFFANY'S 1961米)
原作:『ティファニーで朝食を』トルーマン・カポーテイ
監督:ブレーク・エドワーズ
出演:オードリー・ヘプバーン、ジョージ・ペパード他
ポールとホリーは、同じアパートの上下に住んでいる。気ままな暮らしをする
ホリーに、作家志望のポールは、振り回されっぱなしだった。
それでも、いろんな日常の事件の中で、徐々に2人の心は近寄っていくのだった。
この作品が、私のカポーティ事始めでした。ホリーってば、本当にオードリー・
ヘプバーンのイメージにぴったりですね。って、これは、本当は逆で、
小説の中のホリーにぴったりなヘプバーンと言うべきなのでしょうね。
でも、本当に、まるでヘプバーンをイメージして書かれた作品であるかのように
ぴったりはまっているのです。
なんともユニークな存在であるのが、フレッド(ポール)やホリーと同じ
アパートに住む日本人ユニオシ氏でしょう。いかにも、外国の人の思い浮かべる
「変な日本人」の典型という感じ。黒縁メガネに存在を強力に主張する前歯に
領域を広げ始めたおでこ。彼は、静かに暮らしたいのに、ことごとくホリーに
邪魔されては、「ミス・ゴッライトリー!」と怒鳴ります。いえ、ホリーの名字は
「ゴライトリー」なのですが、ユニオシ氏が大声で怒鳴ると「ゴッライトリー」
と聞えてしまうわけです(笑)
この方、何かとホリーに被害を受けているわけなのですが、それが、かわいそ
うとか気の毒というよりは、つい失笑をかってしまうようなキャラクターなの
です。う〜ん、なんともお気の毒な。ホリーのせいで、彼の血圧は上がりっぱ
なしに違いありません。
小説でも、登場はしているのですが、映画ほどインパクトのある役どころでは
ありませんでした。
小説で登場しないで映画に出てくるといえば、ポールのパトロネスであるご婦
人。いかにも有閑マダムといった風情のお洒落な女性。
彼女の存在が、ポールとホリーに、かなり大きな意味を持つことを考えると、
この登場は、成功だったと思います。
まぁ、この作品は、ホリーのキャラクターこそ原作通りですが、全体的に見る
と、映画化に際して変更になっているところの方が多いみたいです。
なにしろ、私が1番好きなエピソード、ホリーとフレッドがティファニーに
買い物に行くシーンまでが、映画のオリジナルなのです。
あのとき2人の応対を
した店員さんの粋な計らい。ああいった柔軟な対応をしてくれるお店って、
すごく素敵です。
そして、このときポールがティファニーに預けたモノがどこで手に入れたもの
だったかというのも、すごく大きな意味を持っているのですよね。最初に観た
ときには、それがどういう性質のものかなんて全然気にもしていなくて、
何回目かに観たときに、やっと気づいて、そういうところにまで行き届いて
いる作品だったのだと、改めて感心したのでした。
それにしても、お互いに、今までやったことのないことを交互にやる、
というアイディア、楽しいですね。初めて何かをする、というのは、とても
ドキドキするものです。そうしてホリーとポールが訪れた図書館や雑貨屋での
2人の楽しそうな様子で、見てるこっちまで、つられて楽しい気持ちになりました。
そして、映画でのもう1つの魅力はホリーが歌う「ムーン・リバー」。
窓辺に腰掛け、ギターを抱えて歌うシーンは、とても素敵です。
小説のホリーも、そうやって歌うのですが、当然、その曲は「ムーン・リバー」では
ないわけで、(この曲は、この映画のオリジナルですから)もしかしたら、その歌も
有名なのかもしれませんが、私は、全然知らない歌でした。
映画の中で、かつてポールが出版した本のタイトル『NINE
LIVES』というのは、
サリンジャーを意識したものなのでしょうか。それとも、猫のように生きてきた
ホリーのことを意味しているのか、あるいは、深い意味なんて何もなく、たまたま
つけれらただけなのかもしれませんが。
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