◆死の接吻◆
(A KISS BEFORE DYING 1990米)
原作:アイラ・レヴィン
監督:ジェイムズ・ディアデン
脚本:ジェイムズ・ディアデン
出演:マット・ディロン、ショーン・ヤング
ドロシー・カールソンが、市庁舎の屋上から転落して死亡した。警察は自殺と
片付けるが、納得できない姉のエレンは、独自に調査を開始する。
そして、1つの真実にたどり着いたと思ったとき・・・。
原作では、中盤まで、真犯人の姿が見えません。つねに「彼」であり、
恋人すら、名前では呼びかけません。それを、映像化したときに、
どう扱っているのか、非常に興味を持って観たことを覚えています。
映画では、真犯人の顔を、ずばっと写してしまい、観客にそれを明らかにした上で、
他の点、犯人探しを始めたエレンがいつ真相に気付くかという点に重点を置いて
見せることに成功しています。
そして、最初の殺人、ドロシーを彼が突き落とすシーンでは、
緑の服と真っ赤な血。そのコントラストが非常に心に残りました。
他の殺人でもそうなのですが、彼の殺人は、なにかとても血なまぐさいのです。
実際に血を流さない方法で相手の命を絶っていても、何かものすごく血の匂いがする。
これは、小説にはない感覚です。
また、小説では3人姉妹のドロシーが、映画では2人姉妹であるため、エレン
と「彼」の出会いもうまく変更されていました。
エレンが、観ているTVの映画に「めまい」がかかったり、
他にもヒッチコック監督の映画を思わせるところがあるのも嬉しいところです。
そのせいか、エレンが髪の色を変えたとき、つい「めまい」でのキム・ノヴァク風に
思えてしまうところもありました。
途中から、小説とはまったく違う展開を見せる映画に、すごくドキドキさせられます。
「いったい、どうやって?」
野心に燃えるジョナサンの瞳が印象的な1本でした。