◆怪盗ルビイ◆
原作:『怪盗ルビー・マーチンソン』ヘンリー・スレッサー
監督:和田 誠
脚本:和田 誠
出演:小泉 今日子、真田 広之、水野 久美他
林徹は、母親と暮らす平凡な、ちょっと気の弱いサラリーマン。
その彼の前に、「怪盗ルビイ」を名乗る若い女性が現れて、勝手に彼を相棒と
決めてしまった?!
スレッサーの原作では、ルビイは男性で、相棒となるのは、18歳のいとこ。
その彼が、小説の語り手です。短編集の中のいくつかの作品を組合わせて、と
ても楽しい映画に仕上がっています。ルビイが女性になった点を除けば、ほと
んど原作に忠実に映画化されていると言っていいでしょう。食料品屋の事件、
宝石屋の事件、銀行員と牛乳屋の事件など。
そして、ルビイと徹が男女の組合わせになったことによって、ルビイの表の顔
(?)のときの彼氏の存在が生きてくるわけで。
何が楽しいと言って、心ならずもルビイによって事件に次々と巻込まれていく
徹のおたおたぶりでしょう。というと、ちょっと人が悪いかもしれませんね。
ルビイの頭からは、本当に、次から次へと犯罪計画が生まれて来、そして、そ
れは、どれも、一見素晴らしいものなんですけどね〜。
この映画、ここまで楽しいものになっているのは、主演の2人、小泉今日子と
真田広之が、これ以上ないほどはまり役というのもポイントが高いのです。
この作品の中で1番お気に入りのシーンは、2人が一緒に歌うところです。
歌も、映画の雰囲気にあった、明るく楽しい歌。
それを歌う2人は、まさに好一対。ベストカップル賞をあげたいぐらいです。
それから、あえて、演じている方の名前は伏せちゃいますけども、
最高に粋なところを見せてくれるおじさんもいたりします。
この手のコンゲームものには、お気に入りが多いです。
音楽も楽しいポール・ニューマン&ロバート・レッドフォードの「スティング」
ジェフリー・アーチャーの同名小説が原作の「百万ドルを取り返せ」、それから
最近では「シューティング・フィッシュ」などなど。
こういう作品の主人公って、要するに、理由はともあれ犯罪を目論んでいるわけで、
本来ならば悪役のはず。
にもかかわらず、ついつい応援したくなってしまうのは、その動機や、
彼らのキャラクターなのですよね。そして、方法も。
人を殺したり傷つけたりということによらないということ。
これは、とても大事。本来なんの関係もない人間を傷付けてしまっては、
いくら、それが事故であっても、主人公たちに感情移入することは
難しくなってしまいます。
こういう、楽しい映画が、どんどん作られてくれると、嬉しいのですが。