◆ラブ・オブ・ザ・ゲーム◆
(FOR LOVE OF THE GAME 1999年 アメリカ)

― THE ORIGINAL BOOK ――――――――――――――――――――――――

 『最後の一球』(FOR LOVE OF THE GAME)
 作者:マイクル・シャーラ
 訳者:浅倉久志
 出版:1997年 ハヤカワ文庫ISBN4-15-040839-4

― STAFF & CAST ―――――――――――――――――――――――――――

 監督:サム・ライミ
 脚本:ダナ・スティーブンス
 出演:ケビン・コスナー、ケリー・プレストン、ジョン・C・ライリー
 
― SUMMARY ―――――――――――――――――――――――――――――

ビリー・チャペルは、40歳のベテラン投手。栄光は過去のものとなりつつあり
チームは身売り。あわせてトレードされようとしている。それを受け入れ、
野球を続けるのか、潔く引退の花道を歩むか。そのまさに決断の日、
恋人のジェーンもまた、大きな決断を彼に告げたのだった。

― COMMENT ―――――――――――――――――――――――――――――

まず、冒頭、チャペルたち大リーグの選手たちが、飛行機からニューヨークに
降り立ったシーンから始まります。これが、また、なんともかっこいいのです
ね。ずらっと並んだ大リーガーたち。どの顔も自信に満ちたプロの顔。
こういうのに、私は、弱いんです。
もしろん、その中心にいるのは、ビリーことケビン・コスナー。
横には、女房役で親友のガス。いい面構えだな〜。
見た瞬間、「こいつがガス!」って分かっちゃう。2人の距離の取り方もナイス。
これは、映画の中で、ずっと感じました。
親友だけれどもべたつかず、かと言って、もちろん、突き放すわけでなし。
こういういい友達を持つというのは、自分がつまらない人間ではだめですね。

第2場は、ホテルの1室。
恋人ジェーンを待つビリー。
なかなか来ない彼女に次第に落ちつかなくなるビリー。
やがて、朝。激しくノックして部屋に入ってきたのは、ガス。
そして、オーナーのウィリー。
これには、ちょっとびっくりでした。だって、原作では、彼は故人。トレード
の知らせを持ってくるのは、キャスターのロスでしたから。
だけど、これは、ウィリー(御大)がご贔屓の私には、嬉しい違いでした。
それに、映画での彼もとても魅力的な御大だったのには、ご機嫌です。

そして、マウンドに立つビリー。
敵の本拠地ですから、いろいろな野次が飛びます。
それをシャットアウトして投球に集中するビリーのとなえる「おまじない」(?)
これが、なかなかユニークで好きだったりします。

そして、トレードへの答えを出したときのビリー。
その答えの伝え方も、ものすごく素敵でした。
野球が、本当に好きなのですね〜。
それに応えるチームメイトたちの姿も、最高。

この映画、いろいろなところで、原作に変更が加えられています。
その1つが、恋人ジェーン。
まず、出会いからして違います。そして、この出会いから、2人が恋に落ちる
までの流れが、とても好きです。路上で、車を蹴飛ばすヒロイン!
こういう勇ましい女性、かなり好みです。
そして、レストランで食事しながら、彼女を口説こうとするビリーにジェーン
が言った言葉。う〜ん、ごもっとも(笑)
でも、もっと好きなのは、その後の1言ですね。かっわいい!

それにしても、映画のジェーンの家庭環境にはびっくりでした。
でも、だからこそ、のシーンがたくさんあって、嬉しくなっちゃいました。
ヘザーってば、本当にいい子なんだもの。

ジェーン関係の変更では、これも、かなり大きな違いなのですが、ジェーンが
ビリーから離れるという、その理由。「故郷に帰って結婚する」というのと、
「仕事でもっとがんばるため」というのでは、受ける印象がまるで違いますね。
「強さ」を感じさせるのは映画での理由なのですが、原作での、
ビリーとの関係に悩んでいるジェーンの姿も、切なくて共感を覚えてしまいました。
この理由の違いが、ラストのジェーンの行動の違いになっているようです。

原作にはない、ヘリでの搬送シーン。
このときのビリーは、ちょっといただけません。いくら動揺してるかあって、
恋人にあのセリフはないでしょうに・・・。
まぁ、そこから成長してくれたようで、安心しましたが。

それにしても、あんまり意味のない変更だと思うのが、恋人の名前をキャロル
からジェーンにしたこと。原作では、ふざけて恋人たちの睦言と言う感じで、
「ジェーン」という名前が出てきてはいますけど・・・。
それから、ビリーの背番号。21番から14番。原作でも、ビリーが21番を
つけている理由って、けっこう好きだったのですけど・・・。

原作の作者であるマイクル・シャーラは、かなりの野球好きだったようで、
ゲームが臨場感にあふれているのも嬉しかったです。
スポーツものは、映像の方が向いているように思っていましたが、こうして
小説にも素晴らしいものがあるのを知ることができてよかったと思います。

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