◆ランドリー◆
(2002年 日本)


─ THE ORIGINAL BOOK ──────────────────────

『ランドリー』(ISBN4-8401-0513-8)
 作者:森淳一
 出版:メディアファクトリー

─ STAFF&CAST ───────────────────────────

 監督:森淳一
 脚本:森淳一
 出演:窪塚洋介、小雪、内藤剛志他

─ COMMENT ─────────────────────────────


静かで、穏やかで、優しくて。
包み込んでくるようなそんな作品。

原作者が、監督も、脚本もやっているせいか、
映画は、ほとんど原作そのままに進みます。
原作の持つ、癒しの空気まで、そのままに。

幼い頃、マンホールに落ちて頭に傷を持つ青年テル。
おばあちゃんの経営するコインランドリーで、
洗濯物の盗難がないよう見張る仕事をするテル。
あまりにも純粋で、まっすぐなテル。
窪塚洋介って、こんなにうまい俳優だった?
あれが、地ってわけでもないよね。
淡々と、一本調子とも言えるような話し方。
声を荒げることなんてない。
ちょっと、戸惑ったかのような、
むしろ、自信なげなしゃべり方。
無垢なテル、そのまま。

コインランドリーにやってくる様々な客たち。
カメラマニアのおばさん。
負け続けのボクサー。
孤独をかこつおじいちゃん。
みんな、優しい。
馴染みの客ばかりのそんなコインランドリーに、
ある日、やってきた新しい女性客。

どこか投げやりな空気をまとった若い女性。
小雪って、きれいで、雰囲気があって、
この水絵にぴったり。
傷付いた心ゆえ、精神のバランスを欠いた水絵。
アンバランスな瞳をした女性(ひと)

忘れ物を届けに水絵の故郷に向かうテルを
ヒッチハイクさせてくれた謎の男サリー。
ぶっきらぼうで、ちょっと変わったこの男。
内藤剛志が、この、いかにもまっとうに生きてません
っていうサリーにぴったり。
なんか、怪し過ぎ(笑)

テルの家族は、誰1人、画面に登場しないのですが、
おばあちゃんは、けっこう好きなキャラ。
水絵の妹も、最初は、ちょっとヤな子かもと思いましたが、
実は、けっこういい子で、嬉しくなりました。

テルが、水絵に語った口笛の男。
青い、青い風景に響く口笛。
透き通ったその音が、読者の、観客の心を溶かしてくれる。
そんな気がします。

残念だったのは、終盤のエピソードが1つ、
映画ではそっくり省略されていたこと。
とてもいいシーンなのに、ちょっと、
もったいなかった気がしました。
でも、それ以外は、もう、言うことなしの大満足。

(2002.3.30 シアターKINO)


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