◆羊達の沈黙◆
(THE SILENCE OF THE LAMBS 1990米)
原作:『羊達の沈黙』トマス・ハリス
監督:ジョナサン・デミ
脚本:テッド・タリ
出演:アンソニー・ホプキンス、ジョディ・フォスター、スコット・グレン
FBI訓練生のクラリス・スターリングは、5人の女性を殺したバッファロー・
ビルの捜査への協力を求めて9人の患者を殺して収監されているハンニバル・
レクター博士に面会した。そして、それまで協力を拒んでいたレクター博士は、
彼女に1つのヒントを与えたのだった。
本当にコワイですね。レクター博士のアンソニー・ホプキンスが、すごいです。
まさに、これ以上はないほどのはまり役だと思います。
冷静で、そして冷酷な「人食い」ハンニバル。
彼は、クラリスに個人的な質問をし、それと引換えにバッファロー・ビルに
関するヒントを小出しに与えていきます。
この2人の会話には、なんともいえない緊迫感が感じられます。
ジョディ・フォスター演じるFBI訓練生は、きりっと美しいですが、さすがに
ホプキンスの前では、迫力負けというか、貫禄負けですね。
クラリスと、上司ジャック・クロフォードとの関係も、とてもいい感じでした。
小説では触れられている、クロフォードの背景については、省き、それでも、
彼の人となりは、充分に伝わってくる感じがしました。
インパクトの強いのが、エレベーターでのシーン。これは、思わずのけぞって
しまいます。しかも、その後は、もう、緊張感あふれるシーンを次から次へと
これでもかとばかりに見せられることになります。
そして、やがて姿を見せるバッファロー・ビルの不気味さ。
とは言っても、レクター博士の不気味さに比べれば、それは、ものすごく単純
な不気味さではありますが。
小説にはない設定で、映画で使われている1つに、レクター博士の言葉遊びが
あります。単語を綴り替えて、人名にし、周囲の人間を翻弄するのです。その
くせ、クラリスには、ヒントを与えていく。この矛盾。1度、クラリスの指と
博士の指が接触した瞬間、ぞくぞくしました。
なんだか、ジョディ・フォスターがヒロインなのかもしれませんが、アンソニ
ー・ホプキンスの映画という気がしました。ラストの不気味な余韻も、
その印象を強めています。