◆幸福な食卓◆
(2007年 日本)
監督:小松隆志
原作:瀬尾まいこ『幸福な食卓』
脚本:長谷川康夫
出演:北乃きい、勝地了、平岡祐太他
大好きな瀬尾まいこさんの作品で、
映画化の情報を聞いてから、ずっと
公開を待ち焦がれていた作品。
期待が大きすぎると、かえってがっかりして
しまうこともあったりするのだけど、
これは、そんなことがないどころか、
期待以上に素晴らしかった。
原作よりも映画の方がよかったと思える
数少ない例の1つに、見事ランクイン。
突然「父親をやめる」宣言をしちゃった父親に
戸惑う佐和子がすごく初々しくて可愛いし、
どこか飄々とした、とらえどころのない直ちゃんも
本当にいい感じ。
でも、なんと言っても素晴らしいのは大浦勉学くん!
中学3年生で転校してきて、隣の席に座ったのを
きっかけに、佐和子と交流を深めていく。
笑顔と太い眉毛がすごく素敵。
天才の誉れ高かった直ちゃんへのライバル心とか、
電動自転車の一件とか、なんだかいちいちつぼ。
何かと「おうっ」って返事するところも。
作品の中で、ものすごく好きなセリフ
「おまえは気が付かないところで守られてるんだよ」
うん、うん。
人は、1人じゃないんだよね。
すーーーーって心に入ってくる。
佐和子とのぎこちなく進む付き合いの様子。
原作では、わりとあっさりめの2人のこの姿が、
せつないぐらいに微笑ましい。
大浦君とのケンカで勉強が手に付かなくなって
一気に成績を落とすのって、
なんだか可愛いのだけど、あの時点では、
そこまで大浦君にのめりこんでない
映画の中の佐和子の方が、イメージがあっていると思うし、
なぜか、映画で「クワガタ好き」の属性を付与された
大浦弟くん、見事な演出だった。
家を出ている母親との関係。
直ちゃんと小林ヨシコの関係。
基本の設定は原作をしっかり活かしながら、
ポイント、ポイントは、上手に変更を加えて
それによってさらに原作の雰囲気を伝えてくれる。
本当に嬉しい。
ふっと気付いたのだけど、
現代の物語なのに、ケータイが出てきてなかったのだ、
そういえば。
だから、何か懐かしい、穏やかに優しい空気が
そこに流れていたのだ、きっと。
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