◆華麗なるギャツビー◆
(THE GREAT GATSBY 1974米)
原作:スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』
監督:ジャック・クレイトン
脚本:フランシス・フォード・コッポラ
出演:ロバート・レッドフォード、ミア・ファロー、ブルース・ダーン
「華麗なる」というタイトルと、
「貧乏だった青年が富豪になって昔の恋人を迎えに来る」という設定から、
もっと、華やかで明るいストーリーを期待していました。
でも、そこに展開されるのは、もっと
暗くよどんだ世界。
それは、まさしくフィッツジェラルドの原作そのままの世界。
微妙に、ことの語られる順番やシチュエーションに違いはあっても、
ほとんど、原作を忠実に再現したと言っていいと思います。
ラストの、ニックとジョーダンの会話。
そして、それがあることによって違ってくる2人の関係を除いては。
着飾った有名人たちであふれかえる豪奢な社交パーティ。
でも、その裏にあるのは、突然現れた謎の富豪ギャツビーに対する
悪意ある好奇心。曰く「ドイツの皇帝の血縁で、だから金を持っている」
曰く「人を殺したことがある」。
ほとんど知りもしない人間の主催するパーティにやってきては、
そういった噂話に花を咲かせる世界・・・。
そういったたぐいのパーティを開いているのに、実は1番純粋なのが
ジェイ・ギャツビーその人なんですよね。
彼は、昔の、そしてただ1人の恋人をその手に取り戻すために
帰ってきたのです。
パーティを開くのも、ちゃんと理由があってのこと。
だのに、ただれきったその世界。
愛しのデイジーは、金持ちの男と結婚し、
その男トムは人妻の愛人を囲っている。
そこにあった、バランスは、ギャツビーとデイジーが再会したことで
もろくも崩れ落ちます。
ギャツビーの純情を理解できないデイジー。
そのくせ、自分を想ってくれる男を手放すことだけはしたくないというその罪。
2人が再会したとき、彼の部屋を舞ったとりどりの美しいシャツが、
すべて終わった後にはやけに悲しく思い出されます。
それは、だって、ギャツビーの憧れた、熱望した世界の、いわば象徴であった
はずですから。
だけれど、ギャツビーは、退場するしかありませんでした。
風車を巨人と思って戦いを挑んだかの騎士のように・・・。
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