◆クリムゾン・リバー◆
(LES RIVERES POUPRES/THE CRIMSON RIVERS 2000年 フランス)
― THE ORIGINAL BOOK
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『クリムゾン・リバー』(LES RIVERES POUPRES)
作者:ジャン=クリストフ・グランジェ
訳者:平岡敦
出版:創元推理文庫 ISBN4-488-21405-3
― STAFF & CAST
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監督:マチュー・カソヴィッツ
出演:ジャン・レノ、ヴァンサン・カッセル、ナディア・ファレス他
― COMMENT
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まず、冒頭、いきなりのグログロな死体に度肝を抜かれました。
しかも、へんにリアルだし、、、
あぁうぅ。
でも、ジャン・レノのニーマンス警視登場後は、一気に雰囲気が締まった感じ。
パリから、1人、捜査の手助けをする「特捜班」としてとんでもない山奥の
田舎町ゲルノンに送り込まれてきた敏腕刑事。
映画では、どうしてニーマンスが?という点には触れていませんが、
小説で描かれているその理由というのが、いかにも「レオン」なのですよね〜。
この小説って、ジャン・レノをイメージして書かれた?
髪型、ひげ、黒いコート。もう、そのもの。
一方、原作とはまるで違うのが、ヴァンサン・カッセル演じるマックス刑事。
まず、人種が違います。原作では、アラブ人で、ですから、名前も当然違います。
そして、アラブ人であるゆえの様々な苦難とコンプレックス。
なんとも複雑なキャラクターになっています。
だから、原作でも、やっと出会った凶悪事件に張り切りるのですが、
その興奮は、もっと暗い興奮なのです。
墓荒らしの捜査のために、地元のチンピラ「スキン・ヘッズ」の捜査に行ったときも、
映画では、そのアクションが、相手の暴行をきっかけに思いっきり暴れることを
許された陽性のものです。でも、原作では、人種差別による劣等感や憎しみを
爆発させています。
映画でよかったシーンの1つに、ニーマンスとマックスの出会いのシーンがあります。
第2の被害者を訪ねてきたニーマンスと、墓荒らしと学校での盗難事件の捜査の
結果、はるばるやってきたマックス。
銃を向け合う緊迫感。
ドアの開け方にも性格が表れていてナイス♪
原作とは違って、映画では、その後2人は同行して捜査を行います。
それにしても、なんて陰惨な事件。
氷の中で見付かった胎児の形をした死体。
体中にある無数の傷痕。それも、血が流れ過ぎないようにして苦しみを
長引かせようとした形跡。
しかも、目が・・・。
何が人をそこまで残虐にさせるのか?
胎児の形に意味はあるのか?
被害者は、大学の司書。
で、この大学というのが、おそろしく閉鎖的。
大学だけで1つの世界を形成し、根強い世襲制、繰り返される近親結婚。
それが、健全なあり方であるはずがありません。
病弱で、ひ弱な子が多くなるのも当り前。
それが、どういうわけか逆転現象?
この話、映画ではけっこう早くに触れられますが、ここを原作と変えたのは、
何故なのかしらん。
原作で登場のはりきりさん、エリック・ジョワスノー警部が映画では出てこないのが
ちょっと残念。
ニーマンスの過去や、アレックス(=カリム)の過去もきれいさっぱり切り捨て。
カリムの上司のクロジエは、登場させた方がよかったような気がしましたが・・・。
全体的に、映画は、原作の中心部分を抜き出して、周辺の模様を切り取った感じ。
それも、とても上手に。もちろん、2時間という映画の枠の中のこと、いくら
周辺を削っても、若干の分かりづらさはあります。
だけど、それでも、あの雰囲気を作り上げたのはさすが。
とは言うものの、墓荒らしにあったのは原作通り「少年」であった方が、
いろいろ面白かった気がします。
アレックスが出会ったシスターの原作との変更も、どうなんでしょう。
あの方が、確かに、おどろおどろしい雰囲気は出ますが、その分、
人の心の悲しみは薄れたのではないかと思います。
ま、クライマックスのスペクタクルは、いかにも映画ならでは。
あの迫力ある映像。
大自然の中、人間のなりわいの、なんと小さなこと。
運命を操ろうとする思い上がり。
全てを飲み込んで、大自然は、何もなかったかのように、
ただ、そこにある。
その圧倒的な力を現すのに、あれほどのものはなかったでしょう。
人は来て、また、人は去る。
それは、自然の掟。
それを乱そうとするものには、ネメシスの裁きが下るのでしょう。
(2001.1.27
パラマウント・ユニバーサル・シネマ11)
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