◆ぼくの美しい人だから◆
(WHITE PALACE 1990米)
原作:『ぼくの美しい人だから』グレン・サヴァン
監督:ルイス・マンドーキ
出演:スーザン・サランドン、ジェームズ・スペイダー
数年前に妻を亡くして以来、ずっとシングルを通してきたマックスは、
ふとしたことから、ハンバーガー屋の店員ノーラと関係を結ぶ。
年齢も、立場もまったく違う2人だったが、いつしか、マックスは、
ノーラに夢中になっていく。
だが、マックスは、ずっと年上で、粗野なところのあるノーラを、周囲の人間
に会わせることにためらいを感じていた。
この作品は、映画を観てから小説を読む、というパターンだったのですが、主役の
2人を演じるスーザン・サランドンとジェームズ・スペイダーは、小説のイメージに
よくあっていました。
最初、小説を読んだとき、ノーラが、スーザン・サランドンのイメージよりも、
ずっと、粗野でうらぶれた感じがして、ちょっとぴんとこなかったのですが、
読み進めるうちに、2人のノーラの人物像が、だんだんと近づいていったのです。
その一方でジェームズ・スペイダーは、マックスにぴったりな感じなのですが、
ちょっとタイプの違うマイケル・J・フォックスがやっても、また別な感じで
面白かっただろうな、とも思いました。
ストーリーとしても、映画では、小説で描かれているマックスの職業上のトラブルや、
実の母親との葛藤、亡き妻の母親との心の交流について、描かれていないために、
ずっとシンプルな恋愛ものとなっています。だから、そういう恋愛小説のイメージで
小説を読み始めたとき、あまりにもリアルな、そういった様々な描写に、微妙な
違和感を覚えなかったと言うと嘘になるでしょう。もっとも、これも、
そういう、小説ならではのパーツが、マックスやノーラをより生き生きとさせて
くれていることに気づくにつれ、だんだんと消えていきましたが。
マックスの上司ローズマリーを演じているのが、大好きなキャシー・ベイツだった
のも嬉しかったです。もっとも、映画では、小説ほどの出番がなかったのが、
ちょっとあっけなく、残念に思いました。
マックスが、ハンサムではあるけれども、性格的にちょっと弱いところを
見せているのに対し、ノーラが、実に毅然として、現実を見据えており、
かっこよく主導権を握っているのが素敵でした。
これは、映画でも小説でも、マックスの視点から描かれているために、
マックスに見せないノーラの苦しみが、想像はつくものの、
あからさまにはなっていないことにも、よるのかもしれません。
映画と小説のラストの持って行き方の違いも、気に入っています。
どちらも、「文字」「映像」というメディアに、それぞれぴったりくる
終わり方だと思います。
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