◆ホワイトアウト◆
(2000年 日本)
― THE ORIGINAL BOOK
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『ホワイトアウト』
作者:真保裕一
出版:新潮文庫 ISBN4-10-127021-X)
コミック版
作者:飛永宏之
出版:講談社 全3巻
― STAFF & CAST
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監督:若松節朗
脚本:真保裕一、長谷川康夫、飯田健三郎
出演:織田裕二、佐藤浩市、松嶋菜々子、石黒賢、吹越満、古尾谷雅人、
平田満他
― SUMMARY
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日本最大の貯水量を誇るダムが、テロリストに占拠された。
雪の要塞となったダムに、ふもとから近付く術はなかった。
彼らに立ち向うのは、人質となることを免れた1人のダム運転員・富樫だけだった。
― COMMENT
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富樫は、決して、ヒーローではありません。
だから、冒頭、無謀な2人の遭難者を吉岡と救助に向ったとき、意識のない1人を
背負った吉岡に「変わろうか?」と声はかけるものの、断られると、あっさり、
「あ、そ」と引き下がっちゃうのですね。原作では、交代しながらですから、
これは、まさに「織田裕二の」富樫なのですね。あれ?と一瞬思って、でも、
織田裕二の富樫になら、こういう行動の方が似合ってしまう。
で、原作では、この後、ホワイトアウトに見舞われ、結局、途中でビバークする
羽目になる富樫を、映画でも、もっと痛めつけて描いてほしかった気がします。
もう、どうしようもなかったのだということが、はっきり観客に見えるように。
でも、吉岡との磁石のやりとりは、好きなシーンの1つです。
これが、後々まで生きてくるのも嬉しいところ。
それから、吉岡の死後、富樫が、彼の婚約者千晶の元を訪ねたときの、
2基のガラスのエレベーターを使ってのすれ違いのシーン。
これが、なんだか、気に入ってしまいました。
やがて、テロリストにダムを占拠された後、まず、富樫は、とにかく、無事に
安全なところに行き、外部との連絡を取ることを考えます。
そりゃ、そうですよね。
小銃をぶっぱなしてくるような奴らと、渡り合いたいと、誰が思うでしょう。
それが、変わるのが、爆破されたトンネルの中で、千晶の乗っていた車から、
吉岡の上着を見つけたときです。
原作では、自分の上着について、千晶を案内していてテロリスとの凶弾に倒れた
上司の血の跡がありますが、やっぱり、ここは、吉岡関連の方が、ぐっときますね。
だから、この後でも、もっと、吉岡の存在感を強調してくれてもよかったかも。
ものすごく素敵な回想シーンがあったので、よけいにそう思うのかもしれませんが。
テロリストの親玉は、佐藤浩市。
車椅子という設定が、ものすごく意外。
でも、あの雰囲気。心底恐ろしい男である宇津木に、ぴったりはまってました。
いかにもあぶない奴なんですもん。
原作からイメージしていたのとは違っていましたが。
それから、テロリストの1人である笠原。
ダムについては、宇津木にすら一目置かれている存在。
でも、どこか、たんなるテロリストじゃない、そんな感じが、ぷんぷん。
いったい、何者?
一方、対する警察側。
好きなのは、やっぱり、奥田署長(原作では副署長)
原作では、都落ちしたという設定を、地元のたたき上げという感じに変えて
大成功。あの、朴訥なしゃべり方が、泣かせるのです。
しかも、自ら、署の玄関前の雪はねなんてしちゃう。いいですね〜。
それに、タバコの箱にメモを取ってたり、こういうの、好きなのです。
それにしても、分かりづらかったのは、テロリストたちがダムを占拠する前の、
海上でのワンシーン。これは、原作を読んでいるとなんのシーンか分かるのですが、
それだけでは、なんのことか、分かりずらいんですよね〜。
かといって、その後で説明があったわけではなし。
いっそのこと、あのシーンはまるまるカットしてしまってもよかったのかないかな〜。
残念なのが、千晶に、全然、感情移入ができなかったこと。
婚約者を死なせたと富樫を恨むばっかりで、1人、テロリストと闘う富樫の姿にも、
「あの人は、1人で逃げるだけ」って、冷たいのなんの。
原作では、吉岡が、生前、彼女に話していたことを思い出したりしていたのに〜。
ラストの持って行きかたも、まるで違っています。
最後の対決での、あのタイムリミットが、いやがうえにもドキドキ度を増し、
さらに、派手なクライマックスを迎えます。
まさに、映画ならではの大スペクタクル!
「うひゃー」って、声が出そうになりました。
原作は、けっこう長いですし、映画には映画の表現方法があるので、
全部がそのままだとは思わなかったですが、かなり迫力あるシーンもいくつか
カットされていて、あれれれ?という感じもありました。
でも、雪の中で翻弄される富樫の姿は、もう、見ててこっちまで凍えそうでした。
大自然の猛威に、人間ドラマもばっちり。
全体としては、もう、大満足です。
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