◆バトル・ロワイアル◆
(2000年 日本)

― THE ORIGINAL BOOK ――――――――――――――――――――――――

 『バトル・ロワイアル』
 作者:高見広春
 出版:太田出版

― STAFF & CAST ―――――――――――――――――――――――――――

 監督:深作欣二
 出演:藤原竜也、前田亜季、山本太郎、安藤政信、ビートたけし他
 
― SUMMARY ―――――――――――――――――――――――――――――

楽しい修学旅行のはずが、小さな島に連行され、クラスメイトと殺し合いをし、
最後の1人の生き残りにならなければそこから出ることができない。
極限状態に追い込まれた42人の中学生の3日間。

― COMMENT ―――――――――――――――――――――――――――――

クラスメイトを、全員殺さなければ生き残れないなんて。
恐ろしく過激。
あれだけの作品でありながら、賞レースから忌避されたのも肯けます。
それに、42人もの中学生を揃えるのは、とても困難でしょうし、正直、
映画化が実現するとは、思ってませんでした。

で、映画化決定で、真っ先に知ったキャストが、プログラムに際して、
「担任」と称してやってきた坂持金発を、ビートたけしがやるということ。
(それにともない、役名は教師キタノと変更)
これが、もう、どんぴしゃりという感じ。
坂持とは、イメージが違いますが、ビートたけしに、このいかれたゲームの
担任は、すごくはまって見えました。
その後、予告編で、キャストを見て、なんとなく、中学生には見えないのが
多い気はしましたが、ま、それもご愛嬌か(笑)
設定として、「義務教育」であることが必要なんでしょうしね。

そして、公開1週間前から原作を再読。
なにしろ、前に読んでから1年近く経っちゃってますから、けっこう記憶から
飛んでる部分も多かったです。
なんとかぎりぎりで読み終わって公開初日。

うん、面白かった!
あれだけの長さの原作(新書版で660ページ以上!)を、よく、あそこまで
まとめてくれました。当然、全部のエピソードを描ききれるとは思ってません
でしたが、ポイントとなるところは見事に押さえて、キャラも、分かりやすかった。
変更が加えられた部分も、ほとんどは、成功していたと思います。
各登場人物のキーとなるセリフはちゃんと活かされてましたし。

過激な戦闘シーンも、直接的に見せるのではないものが多くてちょっと安心。
もちろん、刃物は振り回され、銃声も響き渡る壮絶な闘いではあります。
でも、それ以上に、ああいった、過激で殺伐とした設定であっても、基本は
青春ものであるという感じがぷんぷん。
友情、恋、信頼。
不覚にも、何度か涙がこぼれました。
杉村〜(;_;)
千草〜(;_;)
慶子〜(;_;)

加えられた変更には、登場人物の性格に関わるものがけっこうあって、
中には、それはないんじゃない?っていうのも。

まず、典子。
原作通りの元気いっぱいの子でよかったと思うんだけどな〜。
映画では、秋也を名前で呼んでなくて、なんか、しおらしくてちょっとびっくり。
それに、秋也と、最初っから両想いっぽいのも、ちょっと違うなぁ。
でも、ま、これは、可愛い方かも。

ひどいのは、山本和彦。
なんで、映画では、あんなに情けない子になっちゃったのかな〜。
その分、彼女の小川さくらが、強い子に描かれていますけど。
なんにしても、あの変更は、可愛そうだ〜。

ザ・サードマン。三村の扱いも、もうちょっとかっこよくてもよかったかな?
第一、首輪の仕掛け。そんなことでなんとかなるものなんかい?!(笑)

そして、もっと大きな不満は、桐山の扱い。
映画では、ただひたすら殺戮を楽しむ男になっちゃってます。
それで、わざわざ志願して「転校生」としてゲームに参加しているのだと。
でも、違います。
桐山は、もっと、冷ややかなのです。
ゲームにも、乗っても乗らなくてもよかった。コインの結果次第。
無表情に、楽しみも、痛みも感じずに殺すのが桐山なのに。
安藤政信だったら、それでもいけそうなのに、惜しいなぁ。

それと、桐山絡みでもう1つ。
おかまの月岡クンが、けっこう気に入っていたので、いきなりやられてしまう
グループにいて、なんの出番もなく消えてしまったのは、とても残念。

逆に、もう1人の「転校生」
川田が、かっこいいのなんの!
で、山本太郎が、すごくはまってるんですよね〜。
きっと、彼を起用するために、年齢設定を、他のクラスメイトよりも3つ上に
したのではないかと思うぐらい。
柔らかな関西弁も、すごく素敵。
彼と慶子さんのエピソードは、泣きました。

教師キタノも、原作とは大きく設定が変わっていました。
まず、彼が、本当に、正真証明の教師で、しかも、生徒たちになめられまくっていた
ということ。
そして、どうやら、家族にもうとまれていて・・・。
でも、なんでだか、典子とだけはうまくいっていたようなこと。
だから、彼が、典子のクッキーを食べてるのが、なんだか、、、
原作の坂持みたいないかれヤローでなくて、よかった。
でも、逆に、こっちの方が怖かったりしますが。

キタノが、それまでに死んだ生徒や、立ち入り禁止区域を放送するときに、
やけにのどかなBGMを使っているのが、いっそう不気味で。

不満もありますが、充分、合格点。
見応えたっぷりでした。


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