◆イエスタデイズ◆
(2008年 日本)
監督:窪田崇
原作:本多孝好
脚本:清水友佳子
出演:塚本高史、國村隼、
和田聰宏、原田夏希他
原作は、本多孝良の短編小説。
彼の作品は、けっこうそういう主人公が多い気がするのだけど、
この作品の主人公も、割と淡々としているというか、
あっさりしたタイプ。
それが映画では、なかなか激しいというか、情熱的なタイプで、
塚本高史がならでは、かな。
すごくはまってる。
父、昭彦に会いに行くバスの中での眉をよせた表情で、
一気に物語に入り込ませてくれる。
病室での父親とのお金はあるのか、と問われての
畳み掛けるような返答。
それに対する父役國村隼さんの間の取り方が、
親子の関係をこれ以上ないほど表している。
國村さんって、渋くて、うまいなぁ。
病気で、余命幾ばくもないことを知って、
自分に反発して家を出ている聡史に
昔の恋人探しを依頼する。
手がかりは、ほとんどない。
いくつかのデータと、1冊の古びたスケッチブック。
どうでもいいようなことだけど、
病室に、大きくて立派なテレビがあったりするところが、
いかにもお金持ち〜な感じだわ(笑)
閑話休題。
原作は、すごく淡々としているのだけど、
映画では、原作に出てこないエピソードや登場人物が
物語に素敵な彩りを添えてくれている。
たとえば、聡史を探偵と思い込んで協力を申し出る少女。
彼女の、ファミリーレストランへの思いとか、
昭彦のレストラン・チェーンを辞めて自分の店を持った元店長とか。
聡史がスパゲティ(ペペロンチーノ?)を作るのも好きなシーン。
聡史は、昭彦が、味よりも儲け重視でファミリー・レストランを
やっていると反発しているけれど、
終盤で明らかになる昭彦のファミリーレストランへの思い。
聡史のジャケットや、シューズのエピソードもそうだけれど、
原作の短編を骨格にして、4次元の素敵な物語が
スクリーン上に展開されていく。
観終わって、クリームソーダを飲みたくなっちゃう。
若き日の昭彦が節子(聡史の母親)と会っていたシーンでは、
小道具にも細かい目が行き届いていることに、
2回目の鑑賞で気付いた。
こういうところにも気配りされているのってさすが。
だからだと思う。
全てのシーン、全てのエピソードが心に残って、
忘れられない1本。
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