◆夜叉桜◆あさのあつこ◆
(光文社)



小間物屋、遠野屋の妻おりんの事件から半年。
連続殺人事件の被害者の1人がさしていた簪から、
遠野屋は、また、血なまぐさい事件に巻き込まれていく。

新しい自分になり、まっとうな商人として
生きていこうとしているのに。
なんの因果が、彼を過去に引き戻そうとするのか。

そんな清太郎の傷をえぐることを楽しんでいるかのような信次郎。
彼も、そうとうに屈折している。
頭がきれるだけに、その屈折は、周囲の人を、
そして、ひょっとしたら彼自身をも傷つけていく。

老岡っ引きの佐平治は、そんな彼の錨でもあるのかもしれない。
彼の存在は、とても温かくて、一筋の光のよう。

前作で、とても好きだったある人が、
まるで別人のような悲しい姿で登場したのが
とてもショックだった。
決着は、いつかつくのだろうか。
でも、それは、幸せなものではないような気がして、
見たくないような気持ちも、、、


人は、きっと、弥勒にも、夜叉にも、変わりうる。
次の物語を、楽しみに待つことにしよう。



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