◆瓦斯灯◆連城三紀彦◆
(講談社文庫 ISBN4-06-184075-4)
収録:瓦斯灯、花衣の客、炎、火箭、親愛なるS君へ
なんとはなしに、夢二の世界を文章で体現したかのような作品集。
服役中の夫を待ちながら、昔の男を想って浴衣を縫う女。
過去と今をつなぐ花簪。
信じきれない心が悲しい「瓦斯灯」
3人の女性の切ない想いが交錯する「花衣の客」
自分の母が恋敵。しかも、その母がすでにこの世にいないなら、
どうやって戦えばいいというのでしょう。
死して相手の中に自分を永遠にとどめることと、死に水を取ること。
どちらが、相手にとって意義深いのでしょう。
「火箭」は、舞台は現代風なのに、そこに漂うのは、
やっぱり大正浪漫風。
そっくりそのまま、大正時代の物語になっていても、
なんの違和感もないと思います。
こういう雰囲気、かなり好きです。
「親愛なるS君へ」は、ちょっと異色。。。
見事な逆転はいかにも連城作品なのですが、ちょっと・・・。
一瞬の逆転を描いたら、これほどの手腕を見せてくれる
方はいない気がします。