◆嘘をもうひとつだけ◆東野圭吾◆
(講談社 ISBN4-06-210048-7)
収録:嘘をもうひとつだけ、冷たい灼熱、第二の希望、狂った計算、友の助言
『私が彼を殺した』や『悪意』で活躍する加賀刑事が事件を解決していく短編集。
東野圭吾は、本当にはずれがない。
ハードカバーでも新刊を買ってしまう数少ない作家さんの1人。
犯人は、周到に犯罪を計画・実行する。
けれど、この中の犯人は、決して冷酷な人間ばかりではありません。
むしろ、やむにやまれず犯罪に手を染め、それを隠そうと必死の嘘を紡ぎ出す。
けれど、やっぱり、嘘は嘘なんですね。
どれほど必死になっても、どこかに不自然さが残ってしまう。
加賀刑事は、決して、それを見逃しません。
どんな小さな綻びからも、事件の真相に肉薄して行くのです。
加賀刑事は、決して、冷徹に事件にあたっているわけではありません。
そこにある人間味が、やはり、彼の魅力ですね。
「第二の希望」や「友の助言」での暖かさ。
嘘をつく人の心が特に切ないのは、「第二の希望」や「狂った計算」。
大事な人を守ろうとする必死の心が、痛いほど悲しいのです。
罪は罪なのだけれど、、、
1つの嘘は、別の嘘を重ねてつきとおすしかない綱渡り。
その夢を叶えてあげたい罪もあるのですね。
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