◆ある閉ざされた雪の山荘で◆東野圭吾◆
(講談社ノベルス ISBN4-06-181607)
とあるペンションに集められた7人の男女。
あるオーディションのために集められた彼らを待っていたのは、
「雪の山荘に閉じ込められ、そこで連続殺人事件が起こる」という設定を、
台本なしで芝居するというもの。
実際には、外との連絡は可能なものの、それをすれば、失格となってしまうと
あっては、主催者の酔狂な方法に従うしかないですよね。なにしろ、相手は
天下の大監督。
そんな中で、被害者となった(役の)人間は、どんどん姿を消して行く
わけですが、やがて彼らの中に、恐ろしい疑惑が生まれてくるのです。
つまり、「これは、本当にお芝居なのか?」
だって、ことは、あまりにも・・・。
とはいうものの、それを確かめようと外部に連絡を取れば、せっかくの
チャンスを失ってしまうかもしれないのです。
だんだん、苦笑いするほどマイペースな参加者たちの表情が変わっていくのが
びしばし伝わってきました。
時折はさまれる久我和幸の性格が、自意識ばりばり、自身満々。
なんともいいキャラなんですよね〜。
下手すると、すごくいやみな感じになりそうなのに、そうなってないのが
いい感じです。
気取ってるつもりで、どこか憎めない。
探偵を気取っても、結局、ああですし(笑)
そして、やがて明らかになる事件の真相。
これは、思いつかないです。
そんなのあり?!
一世一代の大トリックですね〜。
そして、殺人を計画した人物の動機。
それに巻き込まれた人間の思い。
芝居は、人を楽しめるもののはずなのに、逆に傷つけたりしてしまうのですね。
でも、今度はそれが、また、人を癒すことになればいいのにと思います。
それから、ちょっと嬉しかったのが、冒頭、その山荘に、参加者のために
用意されていた5冊のクローズドサークルもののミステリたち。
この、あまりにも有名な作品群を見るだけでも、にまにましてしまいます。
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