◆アルファベット・パズラーズ◆大山誠一郎◆
(東京創元社ミステリ・フロンティア)
井の頭公園近くの瀟洒なマンションAHM
その最上階を占有する所有者の峰原。
彼の元に集まる刑事、精神科医、翻訳家。
同じくマンションAHMの住人である彼らの会話は
仲のよいからかいや言い合いがとても楽しい。
もっとも、それは、もっぱら刑事である慎一と
翻訳家の明世の間で起こっていて、
優雅なオーナー峰原と、おっとり理恵は、
それを穏やかに見ているという感じ。
事件を話題にすると、いつの間にか始まる推理戦。
口火を切るのは明世や慎一。
それをベースにおっとりと理恵がいかにも正論という
推理を披露する。
そして、そして真打は峰原!
最初の2作では、見事なアームチェア・ディテクティヴ。
いくつかの事実を調べてもらい、その結果を聞いてから
おもむろに推理を語る、なんて、まさしく典型で、
紳士名探偵登場!に嬉しくなってしまう。
その推理の呼び水とも言える、他の3人の
推理だって、なかなかのものだし。
3作目の「Yの誘惑」は、過去の事件に挑戦。
息子を誘拐された父親の手記。
そこから、未解決の事件の真相に4人が迫る!
誘拐という卑劣な犯罪。
やっぱり、彼らは、目の付け所が違う。
いくつかの事実を確認した後で、導き出された結論。
あのラストは、予想もつかないものだった。
見事にしてやられてしまった。
彼らと再会できる日が来ることを期待したい。
BookTopへ
Topへ