◆王朝懶夢譚◆田辺聖子◆
(文藝春秋ISBN4-16-315280-6)
王朝文化華やかなりし頃、内大臣の娘月冴姫の恋の行方を描いたファンタジー。
叶わぬ恋を嘆いて深夜に着飾り舞いを舞う月冴姫の元に現れた天狗の外道丸。
彼の神通力でいろいろな世界を見せてもらいながら、月冴姫も成長していく。
元気いっぱい、どこかやんちゃだけれど優しい心の持ち主月冴姫。
なにしろ、第1章では、それゆえにほだされて、仁照の気持ちに添うように
してあげようと考える。いじらしい乙女心。
そういう姫のところだから、外道丸も、おしゃべりしに現れるのでしょう。
子童の姿をした天狗に背負われて夜空を飛び、様々な生き物と遭遇する
幻想的な一夜。
玉の櫛が見せてくれる異国の情景。
外道丸が、月冴姫を心から楽しませようと仲間を呼び集めてあれこれ
画策する姿は、なんとも可愛らしかったです。
もっとも、呼んだ仲間が河童やら翔嬢ですから、あんまり可愛らしい
生き物とは言えませんが(笑)
でも、それぞれに個性的で楽しい仲間ではあります。
その奮闘が効果を表すのは、ちょっと先のことではありますが。
たまには、こういう、純和風王朝ファンタジーも悪くないものです。
BookTopへ
Topへ