◆女信長◆佐藤賢一◆
(毎日新聞社)



織田信長が、実は女だった?!
なんて奇抜な発想。
そして、それを、史実とうまく掛け合わせている手腕に脱帽!

本当に面白かった!
でも、御長(=信長)さん、女の武器を使いすぎ(^^;
ま、最初が斉藤道三ってのも衝撃(笑)
蝮のおっさん、けっこう女好き?(笑)
それでいきなり開眼しちゃう御長さんもさすがだけど(笑)


<妻>である濃姫との不思議な友情。
お互い言いたいことを言い合える戦友、かな。
かなりおっとりとした濃姫の、御長とは違った鋭さに何度か脱帽。
男として、信長として表の人生を生きている御長と比べて、
いかにも女性女性したキャラに、ふふふ、と笑ってしまったり。

信長の愛妾とされている未亡人の吉乃。
彼女が、信長の弟、信行の、、、という設定は、なるほど、という感じ。
信長の息子は、どういう扱いのかなって思っていたから。
そうきましたか、という。

すごくびっくりしたのは、浅井長政。
えええええっ?!
そんなのあり?
ひょっとして、お市と信長1人2役やるのかと思っちゃった(笑)
冷静に考えれば、いくらなんでも無理なんだけど。


先を見通す冷徹な目を持った先進的な信長。
それが、女性ゆえだったから、という考えは、すごく面白いなぁと思う。
男と女では、いろんなところで、感性も、考え方も違うから。
男社会の中で、女としての目線で動こうとすれば、
周囲には珍奇な行動にも見えるというのも理解できるし。

男・信長としての自分
女・御長としての自分

その狭間でもがきながら生きる御長は、やっぱり素敵。
甲高い声も、光秀登場後の、ヒステリックなまでの数々の行動も、女だから、か。
光秀と出会ってからの、当初の蜜月のような時間。
頭脳明晰で優秀な光秀が、いろんなことに、
自分と同じ答えを出してくれるのは、どれほど心強いことだっただろう。
1人で全て決定していくことは、それが、新しい試みであればあるほど、
不安も尽きないもの。
支えになる男との出会いは、何ものにも代えがたい。
でも、それが、ひとたび裏目に出ると、信頼が篤ければ篤いほど、
怒りも深く、強くなってしまう。

そして、運命の本能寺へ、、、


この作品、ここまでで終わらせてほしかった。
この後、時代が下って、家康と、とある老僧との会談シーン。
はっきり言って、ものすごく不愉快だった。
彼らは、御長の奮闘をなんだと思っているのか、と。
それは、世の中、やはり男、と作者に言われているようでもあり、
本当に、憤りを抑えきれない。
これさえなければ、、、



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