◆ヴァンパイア・レスタト◆アン・ライス、訳:柿沼瑛子◆
(THE VAMPIRE LESTAT 扶桑社ミステリー文庫)
(上巻:ISBN4-594-01612-X、下巻:ISBN4-594-01613-8)


ライスの人気シリーズ、ヴァンパイア・クロニクルの2作目。
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の原作、『夜明けのヴァンパイア』とは
違って、レスタトが主人公のこの作品以降、まったく、イメージが違っています。

前回、ルイに、さんざんに言われ、あげくにクローディアにあんな目に
合わされていたのとは大違い。
今回は、大活躍です。
もちろん、この作品は、レスタトが、ルイの『夜明けのヴァンパイア』に
対抗して、真実を書いたものなのですから、当然といえば、当然ですが(笑)

そして、思ったのは、レスタトって、まるで、やんちゃ坊主のようなところが
あるということ。
通常、ヴァンパイアは、人前で演奏して、人気ロック・スターになったりしません(笑)
なんたる自信、なんたる自己顕示欲!
もっとすごいのは、それが、全然いやみでなく、むしろ、彼の魅力の1つに
見えること。

それにしても、レスタトは、なんて、素晴らしい、まさに血沸き肉踊る冒険を
繰り返してきていることか。
それは、彼が「闇の賜物」を受ける前からのこと。
狼との闘いは、なんて、、、
ここで、彼のその後が、大きく方向付けされたのでしょうね。
そして、よき理解者である母ガブリエルの存在。
その存在の大きさは、やがて、ヴァンパイアとなった彼に、
彼に禁忌を犯させるほど。

やがて出会った大切な友人ニコラ。
お互いの立場の違いを越えた大切な友情。
そこに割って入ってくる闇の存在。
「彼」さえいなければ、レスタトは?

手に入れた新しい力を使って、様々な活躍をするレスタト。
これほどに見事にそれに順応するというのは、彼の中に、やはり、
そういった「闇の存在」を受け入れる下地があったということなのでしょうか。
レスタトによって、その後ヴァンパイアとなるルイとは、大違いです。

けれども、その、ヴァンパイアとしてさえもユニークなその存在は、
他のヴァンパイア集団との対決を余儀なくさせます。
そして、そのリーダー、アルマンの師であるマリウスとの邂逅。
<護られるべき者>の存在。

レスタトの活躍や、その哲学は、ものすごく痛快。
気持ちよく読み進むことができます。
かつて『夜明けのヴァンパイア』での、クローディアの罠から、どのようにして
逃れ得たのか、ここで明かにされ、その実力のほどをうかがわせます。
ヴァンパイアとしての強さ。
それは、ルイが持ち得なかった強さ。
(ルイはルイで、別種の強さを持ってはいるようですが)
ヴァンパイアたる自分をまるごと、そういう存在だと認め、
その新たな生を謳歌する強さ。
その生命力は、人を惹きつけずにはおきません。


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