◆今はもういないあたしへ・・・◆新井素子◆
(ハヤカワ文庫NV ISBN4-15-030314-2)

収録:ネプチューン、今はもういないあたしへ・・・


「ネプチューン」
近未来、マリン・シティの海で学生に発見された謎の美少女。
発見した3人の学生たちは、彼女に「ネプチューン」と名付けて
面倒を見ることにする。
そして、彼らの保っていた微妙なバランスが・・・。
4人の、それぞれの想い。
それぞれの、片方だけに矢のついた矢印。
切ない想い。
そして、ネプチューンの正体が明かになるとき、彼らを襲う大きな陰謀。
切ないような、なんとも言えないような気持ちになりました。

「今はもういないあたしへ・・・」
事故による昏睡から目覚めた後、享子は、なぜとも知れない違和感に
苦しめられていた。
その違和感に、なぜか不自然なほど合致する数々の悪夢。
自分は、事故の後、どうなってしまったのか。
それに、疑問を感じずにいられないなんて、なんて恐ろしいこと。
婚約者義雄。
彼が、優しければ優しいほど、増える罪悪感。

自分の存在に疑問を感じていて、義雄は、そんな自分も全てひっくるめて
受け入れると言ってくれる。
彼に、以前のような想いを抱けなくなったことが、すまなくて。

でも、そんな思いとは裏腹に、どんどん心に浮かび上がってくる
自分のものではないはずの記憶。

その全容が明らかになったとき、言うに言われぬ怒りを覚えずには
いられませんでした。
それと、深い哀しみと。


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