◆いつか、キャッチボールをする日◆鯨統一郎◆
(PHP研究所)



鯨さんらしからぬと言ったら失礼だけど、
珍しいほど直球真っ向勝負で心に響いてきた。

新島は、そろそろ引退も視野にいれなければならない年齢のプロ野球選手。
息子は、野球は好きだけれど、決してうまいとはいえない。
と言うか、むしろ、下手。
でも、というか、だからこそ、親子のキャッチボールのシーンは、
いきなり、ものすごい勢いで心をつかんできた。
なんて素敵な親子なんだろう。

だからこそ、そんな親子を襲った様々なできごとに、
他人事とは思えないほど気持ちを入れ込んでしまった。

だいたい、あいつ、最初っから怪しいのに、
なんで新島は気付かないのかと、歯がゆくて、歯がゆくて。
ああいう状況で、正常な判断ができなくなっていたのだろうし、
もちろん、敵はそこにつけこむつもりで最初からいるのだけれど。

それにしても、隼くん、なんてけなげでいじらしい。
たった10歳なのに。

そんな彼らだから、いろんな人が、彼らに力を貸してくれる。
できるだけのことをしてあげたいと思う。
その思いが、とてもお嬉しい。
温かな気持ちにさせてくれる。

悲しみの中にも光のあるラスト。



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