◆秋の花◆北村薫◆
(東京創元社 ISBN4-488-01243-4)
シリーズ初長編。
しかも、その謎は、ある女子高生の死。
学校祭の準備中。校舎の屋上から転落するという謎に満ちた形で。
その彼女は、『水に眠る』の中に登場した仲良し2人組みの女の子の1人。
そのときの彼女が、あまりにも活き活きと、溌剌としていただけに、彼女が
すでにこの世にいないなんてことを、受け入れたくない気持ちにさせられます。
そして、もう1人の被害者とも言えるのが、その親友であった少女。
物心ついたときから、ほとんどずっと一緒にいたんだもの。
その大親友が、不意に目の前から消えてしまうなんて。
そんなあるとき、「私」のもとに届けられた謎のメッセージ。
存在しないはずのものが郵便受けに届けられるなんて。
そして、目の当たりにした少女の痛々しさに、「私」は、つい、事件に
のめりこんでしまうのです。
警察でも探偵でもない素人の「私」は、「私」ならではの調査を開始します。
そう。
彼女達と同窓の出身であることを活かした捜査。
懐かしい先生たちに上手に話を聞くなんて、
警察ではなかなか警戒されちゃいますよね。
そんな中、「私」の思い出たちが見え隠れするのも温かい感じでよかったです。
でも、ちょっと寂しい話も。。。
・・・昔のクラスメイトでも、ずっと会ってなかった相手のバイクに乗って
しまうのって、やっぱりうかつなのかな。
そういうふうに考えなければならないなんて、なんだか寂しいですね。
そして、「私」の調査の後で真打「円紫師匠」登場。
話を聞いただけで、真相に迫ってしまうのは、毎度のことながらさすが。
落語に対する姿勢も温かくて好き。
でも、事件の真相は、とても悲しい。
降り続く雨が似つかわしい寂しいラスト。
でも、それだけでないことが、やはり、このシリーズですね。
「私」が、就職して、学生時代の仲良し3人組もそれぞれ別の道を歩いて
いますが、この先の彼女達の姿も、ぜひ、読んでいきたいものです。
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