◆玻璃の城◆
(City of Glass 1998 香港)
― STAFF & CAST
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監督:メイベル・チャン
脚本:アレックス・ロウ
出演:レオン・ライ、スー・チー、ニコラ・チェン
― THE PREMIERE SHOW&INTERVEW
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「玻璃の城」プレミア上映会at札幌シアターKINO
去る、2000年2月6日(日)午後6時より、札幌はシアターKINOにて、GW公
開される「玻璃の城」のプレミア上映会が開催されました。
チケットは、上映館の座席数である63枚限定。きっちり売り切れて、
満席状態。見渡したところ、やはり、香港発の恋愛ものというせいか、
女性客が多いようでした。
上映前に、アンケート用紙と、香港旅行のパンフレットが全員に配られたり、
本編開始前に香港旅行のCMが流れたりは、まぁ、ご愛嬌。
なにより嬉しかったのは、上映前の短い時間とはいえ、本作品の
メイベル・チャン監督と、脚本のアレックス・ロウ氏のお話を聞けたことです。
10分程度ということで、質問は、KINOのオーナーの中島洋氏が、
あらかじめ用意しておいたものだけでしたが、お2人とも、
とても、聞き取りやすい英語で答えてくださっていました。
(もちろん、通訳の方はいました)
お2人とも、カジュアルなスタイルで、気軽に、表情豊かに話してくださった
のが印象的でした。やっぱり、前の方の席に陣取って正解だったと
心の中で快哉を叫んでしまいました。
では、インタビューの概要を。
−まずは、札幌のみなさんに一言ご挨拶をお願いします
メイベル・チャン監督(以下M):この2000年という年に、札幌にきて、雪ま
つりを見ることができて、この作品(「玻璃の城」)を見ていただくことができ
てとても嬉しいです。次回作は「雪の城」になるかもしれません。
−その際には、ぜひ、札幌を舞台にしてください。
M:そうですね。そうしたいです。
[ここで、思わず、観客一同拍手しちゃいました。
こういう一体感、劇場ならではですね]
−では、今回の滞在は、ロケハンもかねてということで。
M:はい(笑)
アレックス・ロウ氏(以下A):初めて札幌に来たのは'85年で、この街をとても
好きになりました。今回、2回目にやってきて、またこの街が好きになりました。
−この作品には、3つのラブストーリーが描かれているそうですが?
M:70年代の恋愛と、90年代の恋愛。そして、私の香港への想いの3つです。
70年代の、ある意味とてもイギリス的に育ってきた2人の恋愛と、そんな両親
に育てられた子供達の恋愛。変わらないと思っていたものも、非情にもろく、
壊れやすかったりするものです。この作品を作ろうと思ったのは、私たちの大
学の寮が閉鎖されると聞いたからです。
−この脚本を書くにあたって、どんな苦労がありましたか?
A:苦労というものは、ありませんでした。「宋家の三姉妹」を書いたときは、
200冊もの史料の本を読まなくてはなりませんでしたが、今度は、70年代を書
くときには、旧友とお茶を飲んでおしゃべりして、90年代を書くときには、カ
ラオケやダンス・マシーンで楽しみました。
−レオン・ライと、スー・チーのキャストについていかがですか?
この2人は、この作品で初めて一緒に仕事をしたのですが、とてもいきがあっ
ていました。口に出さなくても、アイコンタクトだけで伝わるという感じでし
た。
スー・チーの起用には、キャンパスの使用には協力的だった大学側から、なぜ
彼女なのか、見る目がない、などと言われました。スー・チーが、上品でソフ
ィスティケイトされた女学生には見えないのではないかという理由でした。で
も、絶対彼女がいいと思って譲りませんでした。この役は、20代から40代
まで演じるのですから、女性としていろんな経験をしているスー・チーが、深
みのある演技をしてくれるとおもったからです。それは成功して、彼女は、香
港のトップスターの1人です。
−本日は、どうもありがとうございました。
― SUMMARY
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ラファエルとヴィビアンは、学生時代に出会い、恋に落ちた。だが、やがて、
学生運動に敗れたラファエルは香港を去り、2人は別の道を歩き始めた。
20年後、偶然に再会した2人の思いは再燃するが、互いに、別の相手と結婚
していた。
そんな2人の死をきっかけに出会った、ラファエルの息子デビッドと、ヴィヴ
ィアンの娘スージー。始めは反発し合うだけだった2人の間に、ある感情が育
ち始める。
― COMMENT
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冒頭、いきなり、主役の2人の死というショッキングな場面から物語はスター
トします。香港の返還の年の新年を一緒にロンドンで迎える2人は、どこへ行
こうとしていたのか。何に間に合おうとしていたのか。
2人の死によって引き合わされたデビッドとスーチー。
この2人は、それぞれの父親の、母親の過去を掘り起こし始めます。
互いに、相手の親が自分の親を誘惑したのだと言い合いながら。
2つの世代の恋は、まるで違ったタイプであるのに、微妙にクロスしながら進
んでいきます。
メインは、ヴィヴィアンとラファエルの恋。
学生時代、それぞれに目立つ存在であった2人は、少しずつお互いを意識し始
め、あるとき、ラファエルが、とても大胆にヴィヴィアンに接近します。それ
も、赤いバラの花を持って。アスピリンの話は、本当なのかしらん。でも、と
ても素敵な話だから、そうでなくてもかまわないのですよね。
このときの、周りのみんなの応援もとても素敵。
良家の子女の集まる学校の女子寮で、でも、決してお高くとまったスノッブな
女の子たちでないのが、ものすごく新鮮。
そして、恐らくは、年に1度の男子寮とのダンス・パーティ。
このときとばかりに、日頃気にかかっていた異性とダンスを踊ることができる。
楽しく、でも、羽目をはずしすぎないで。
面白いのが、スージーの時代の学生たちとの、「楽しみ方」の違い。
時代が違うといえばそれまでですが、その変化に、寮監のおじさんと、おそら
くは同じ感慨を抱いてしまいました。でも、それでも、「変化」はしても、人
間としては「変質」していないようなのは、嬉しいと同時にほっとしました。
2人を引き裂いたのは、学生運動によるラファエルの投獄。
去っていくラファエルの残したものには、ぐっときました。あれは、反則です。
お互いを、忘れようとして忘れられなくて。
でも、違う道を歩き始めてしまった2人。
1度離れた道を、再び寄り添わせるのは、とても難しい・・・。
がんばればがんばるほど、どこかにひずみが出て、もっと苦しくなってしまう。
だけど、離れてなんていられない。
セスナの免許件、とても象徴的。
全編に、「Try to Remenber」が、効果的に流れてきます。
この曲が流れると、条件反射的に、何か胸が熱くなる気がします。
若い2人。スージーとデイビッドは、新しい道を歩き始めます。
お互いの親の気持ちを大切に受け止めながら。
そこには、悲愴感など何もなく、すーっと何か昇華させていったようで、とて
も素敵なラストでした。