大人採集を普及させましょう!
大人採集って何?

 子どもの頃を思い出してください。虫捕りに行くと、片っ端から採集して獲物は全て持ち帰っていませんでしたか?私も周囲の友達もみなそうでした。虫の数が豊富な地方では、そんなことは無いのかもしれませんが、都市近郊で少年時代を過ごした昆虫少年の多くはみな似たようなものだったと思います。珍しいから、全て欲しい!という心理が働くのは当然のことです。でも、ちょっと待ってください。これと同じことを大人がしたらどうなりますか?大人は子どもよりも機動力があります。自動車等を使って、子供が行けないような所まで広範囲に採集に出かけます。子どもよりも、腕力があります。子どもでは採れない虫も採集できます。そんな大人が、後先考えずに採集し、全ての獲物を持ち帰ってしまったら、いくら回復力のある自然でも年々やせ細っていきます。
 福島県の有名な林道の例を見れば明らかです。その場所はヒメオオの多産地でした。今でも他の地方に比べれば、個体数は多いのですが、10数年前以上の全盛期を知っている方からみれば、明らかに個体数は減っているそうです。ルッキング採集だけでも、採集者が殺到し採集個体を全て持ち帰っていれば、いずれは個体数の減少を招くのです。

 誰がどこでどんな採集方法をしようとも、採ったクワガタをどうしようとも、それは個人の判断の元、それぞれが責任を負って行えば良いことです。私がとやかく言うことでは本来ありません。しかし、事態は個人レベルの問題では済まなくなってきています。トカラ列島や三島村でクワガタの採集禁止条例が制定された原因は、採集者の無茶な採り方が原因です。何十、何百ものクワガタを根こそぎ採っていく姿を見て、自分達の住む島の自然の危機であることを感じた結果です。かつては、それらの島の方々もクワガタ採集者に対しては温かい目で見てくれたといいます。それが、いつから敵視されるようになってしまったのでしょう。なぜ、個人の採集者が何十、何百ものクワガタを持ち帰る必要があるのでしょう。トカラの場合は、大手業者に卸して販売したそうです。それで得た報酬と採集禁止とを天秤にかけてみれば、いかに愚かなことをしたのかわかるはずです。また、標本を趣味とする方の一部に、同じ種類でもとにかく採った分だけ全て毒ビンに入れて標本にする方がいます。同一種を標本にする意味は個人によっていろいろあるでしょう。それに対してとやかく言うのは失礼ですので申しません。かつてはそれでも問題なかったのです。しかし、社会状況も自然環境も変化しています。何十ものクワガタを、全て毒ビンに入れて持ち帰る姿を一般の方が見たらどう感じるでしょう。その地域でのクワガタ採集禁止条例制定に拍車をかけることにはなりはしないでしょうか。個人の自由を口にするのは簡単なことですが、個人の自由はあくまでも他者に迷惑や悪影響を与えないことを大前提とするはずです。一部の方の身勝手な振る舞いが原因で、これ以上クワガタ採集がしにくい状況をつくることは止めた方が良いのではないでしょうか?

 そこで提案したいのが、大人採集です。この言葉は私の造語です。意味としては、「大人としての良識ある採集方法」です。子どもの頃から虫捕りをしたり自然の中で遊んできたりした大人の大半は、自然との付き合い方を知っている場合が多いので、無茶な採集はしません。あるいは、都市部に生まれ育って自然体験が少ない方でも、想像力を持っていれば自然を脅かすような採集はしないはずです。しかし、悲しいかな、自然をいじめるような無茶な採集をする大人が少なからずいるのが実情です。そこで、自然と長く楽しく付き合っていくために、大人採集の普及を図っていきたいと思います。難しいことはありません。採集者一人ひとりがほんの少し気をつけることと、機会があるごとに大人採集の必要性を声にしていけば良いのです。

大人採集のルール

お人数(大人数)ででかけない!
 仲間で集まって、自動車2台、3台に分乗して大人数で採集にでかける例が最近聞かれます。趣味の仲間で集うのは楽しくて良いことです。しかし、10人を超えるような人数が同じポイントで採集をしたら、そのポイントに与えるダメージは相当なものになります。団体での採集を楽しむのならば、現地ではなるべく大騒ぎはしない、持ち帰る個体数は最小限にするなど大人としての知恵を働かせて、そのポイントで末永く採集を楽しめるよう工夫しましょう。

った(採った)ら選んで持ち帰る!
 良識ある大人ならば、自分だけが良ければ・・・という自己中心的な考えは持ちません。また、今だけ楽しければ・・・という無計画な行動はとりません。採ったクワガタ・カブトは、必要な個体数だけ選んで持ち帰るようにしましょう。1頭♀を置いていけば、それが子孫を20〜30と産んでくれます。そう考えると、夢がふくらんで楽しくはなりませんか?

んでもかんでもやたらに採らない!
 
目についたものを何でも採集して持ち帰ろうとする人がいますが、全ての生物はその場所に生きている意味があります。生態系のバランスを考えれば、1頭の虫とて採集しないに越したことはないのですが、それを言ってはこの趣味は成立しません。ですから、影響を最小限に抑えるために、見つけても必要がなければ観察するだけに留めましょう。自分は必要ないが、近所の子どもに配ろうとか、オークションに出して小金を稼ごうなどという浅ましい考えは捨てましょう。
 自分が採集してきた個体を繁殖させて近所の子どもに配るのならまだしも、採ってきた個体を大盤振る舞いで配りまくるなどという行為は厳に慎みましょう。ただし、程度の問題ですから、数頭を決まった相手にあげるつもりで持ち帰るのはご愛嬌だと思います。

  

 こういうことを書くと、賛否両論が出るのは当然のことです。何を偉そうに、クワガタを採集飼育している以上お前も同じ穴の狢だという声もごもっともです。しかし、その論理で事を運べば、全ての経済活動と人間の営みを即刻停止しなければなりません。それは不可能です。ですから、せめて自分達でできることはしていきたいというのがこのキャンペーンを立ち上げた根幹にある願いです。私個人の考え方を押し付けようとしているのではありません。ただ、クワガタ愛好者としてクワガタ採集を今後も堂々としていける状況であって欲しいと願うだけです。クワガタ採集者=自然破壊をする悪人という社会認知が広まることだけは避けたいと思うのです。
 拙い考え方かもしれませんが、ご賛同いただける方はぜひご協力ください。そして、機会あるごとに声に出してください。特に、未来の地球を担っていく子どもたちにはよく説明してあげて欲しいと思います。ご自分のHPでキャンペーンにご協力いただける方は、どうぞバナーをコピーしてリンクしてください。あるいは、「大人採集のルール」の部分だけコピーして呼びかけていただいても結構です。よろしく、お願いします。